[P-MT-12-4] 健常群と足関節捻挫既往群における身体機能及びバランス能力の比較
キーワード:足関節捻挫, 身体機能, 動的バランス
【はじめに,目的】先行研究では,足関節捻挫と静的バランス能力における関係性は多く報告されている。しかし,足関節捻挫と動的バランスとの関係性はあまり報告がされていない。そのため本研究では,健常群と足関節内反捻挫既往群における身体機能およびバランス能力の比較について検討を行うことを目的とした。
【方法】対象者は,健常大学生男性62名,100足(年齢:21.1±1.0身長:172.8±5.3cm,体重:65.6±8.2kg)とした。問診および足部靭帯に対する整形外科テスト(踵腓靭帯・前距腓靭帯)を実施し,①踵腓靭帯テスト陽性群28足,②前距腓靭帯テスト陽性群8足,③靭帯テスト陰性群37足,④健常群20足を抽出し,4つのグループとした。問診はFoot and Ankle Disability Index,捻挫既往および回数,受傷後の対応,診断名,損傷部位,重症度,CAIの評価,スポーツ歴,利き足,身長,体重,その他既往の13項目で実施した。計測は足関節アライメント,関節可動域測定,下肢長測定,筋力測定,Finger of 8 hop test,Side hop test,静的バランス検査,動的バランス検査の8項目を実施した。下肢長測定の際にはメジャー,筋力測定ではμ-tasF1(アニマ株式会社製:ハンドルダイナモメーター),静的バランス検査では重心動揺計(アニマ株式会社製)を用いて実施した。動的バランス検査では加速度計(マイクロストーン株式会社製)を腰部に装着し,10m歩行中の上下,左右,前後方向のRMSを計測した。統計にはSPSS Statistics22を使用した。評価項目値の4グループ間比較には一元配置分散分析およびを多重比較検定を用いて実施した。有意水準はすべて5%未満とした。
【結果】膝関節伸展位での足関節背屈角度において健常群と靭帯テスト陰性群,踵腓靭帯テスト陽性群,前距腓靭帯テスト陽性群間に有意差を認めた。静的バランスにおいては,4グループ間の有意差を認めなかった。一方,動的バランスにおいては,歩行中の前後方向RMSで健常群と踵腓靭帯テスト陽性群間の有意差を認めた。
【結論】先行研究同様,足関節捻挫既往の3グループについては,足関節背屈角度の有意な低下を示した。歩行中の動的バランスについては,健常群と比較し踵腓靭帯群間では,前後方向RMSの有意な増加を認めた。この結果より,立脚期の踵腓靭帯における制動の重要性と代償的な股関節戦略の出現につながっている可能性が示唆された。
【方法】対象者は,健常大学生男性62名,100足(年齢:21.1±1.0身長:172.8±5.3cm,体重:65.6±8.2kg)とした。問診および足部靭帯に対する整形外科テスト(踵腓靭帯・前距腓靭帯)を実施し,①踵腓靭帯テスト陽性群28足,②前距腓靭帯テスト陽性群8足,③靭帯テスト陰性群37足,④健常群20足を抽出し,4つのグループとした。問診はFoot and Ankle Disability Index,捻挫既往および回数,受傷後の対応,診断名,損傷部位,重症度,CAIの評価,スポーツ歴,利き足,身長,体重,その他既往の13項目で実施した。計測は足関節アライメント,関節可動域測定,下肢長測定,筋力測定,Finger of 8 hop test,Side hop test,静的バランス検査,動的バランス検査の8項目を実施した。下肢長測定の際にはメジャー,筋力測定ではμ-tasF1(アニマ株式会社製:ハンドルダイナモメーター),静的バランス検査では重心動揺計(アニマ株式会社製)を用いて実施した。動的バランス検査では加速度計(マイクロストーン株式会社製)を腰部に装着し,10m歩行中の上下,左右,前後方向のRMSを計測した。統計にはSPSS Statistics22を使用した。評価項目値の4グループ間比較には一元配置分散分析およびを多重比較検定を用いて実施した。有意水準はすべて5%未満とした。
【結果】膝関節伸展位での足関節背屈角度において健常群と靭帯テスト陰性群,踵腓靭帯テスト陽性群,前距腓靭帯テスト陽性群間に有意差を認めた。静的バランスにおいては,4グループ間の有意差を認めなかった。一方,動的バランスにおいては,歩行中の前後方向RMSで健常群と踵腓靭帯テスト陽性群間の有意差を認めた。
【結論】先行研究同様,足関節捻挫既往の3グループについては,足関節背屈角度の有意な低下を示した。歩行中の動的バランスについては,健常群と比較し踵腓靭帯群間では,前後方向RMSの有意な増加を認めた。この結果より,立脚期の踵腓靭帯における制動の重要性と代償的な股関節戦略の出現につながっている可能性が示唆された。