The 52st Congress of Japanese Society of Physical Therapy

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[AAS-2] 企画2 いわゆる脳卒中片麻痺は,治るのか?

Sat. May 13, 2017 6:10 PM - 7:10 PM B1会場 (東京ベイ幕張ホール No. 1・2)

産学連携セッション

[AAS-2] いわゆる脳卒中片麻痺は,治るのか?

舟波 真一1, 山岸 茂則2 (1.(株)バイニーアプローチセンター, 2.(株)Physical Wave Resonance)

1896年,バビンスキー博士がいわゆる錐体路障害を報告してから100年以上経過している。その間,リハビリテーション治療はどれだけ変わってきただろうか?日本にリハビリテーションが導入されてから50年が経過しているものの,今も脳卒中片麻痺の臨床像はその当時とほとんど変わっていない。つまり,今までの,既存のリハビリテーションでは片麻痺という臨床像を変えることが出来ないという事実に,謙虚に立ち向かわなければならない。脳神経科学の発展に伴って,ニューロリハビリテーションの考え方は広がってきてはいるものの,標準的なリハビリテーション治療が追いついていないという感は否めず,実際のクライアントに汎化出来ていない状況が長く続いている。脳の解明は進んできたが,いわゆる「麻痺」という状態に対して,どのように治療していいかがわからず,「頑張って手すりにつかまって立つ」ことや「頑張って杖をついて歩く」といったクライアントの随意性に頼らざるを得ない現在の状況では,片麻痺の臨床像を変えることは難しい。
脳卒中後遺症では,脊髄システムにまったく問題がないため,α運動ニューロンに対していかに加重をかけていけるかが大切である。治療用装具やロボットを積極的に活用してこれにせまる動きもあり成果も報告されつつあるが,全ての脳卒中後遺症者が高額な装具・機器の恩恵に預かれない現状は簡単には打破できないように思われる。
今回は,最新の中枢神経系の機能代行メカニズムを踏まえ,「運動麻痺」を新たに捉えなおす。神経振動子を介在とする自己組織化理論を背景にした統合的運動生成概念をご提案し,その概念に基づくBiomechanics & Neuroscience Integrative Approach(BiNI Approach)をご紹介したい。最後の連合学会において,未来への一石を投じ,波紋の共鳴をもってパラダイムシフトを敢行する。