[O-SN-01-6] 保育所における足靴計測調査活動からわかったこと
~足・靴サイズ,フットプリントデータを中心に~
キーワード:足サイズ, 靴サイズ, 浮き趾
【はじめに,目的】
私達は幼い頃から靴を履く生活を送っているが,その正確なサイズを知る機会は少なく,保護者の判断や履いた感触を基に靴選びを行うことが多い。足に合わない靴を履くことは,足の痛みや変形などのトラブルに繋がることが報告されているが,大人になっても自分の足サイズを知らずに靴を選ぶ人が多数いる現状がある。
本研究の目的は,保育所に通園する子ども達を対象に足サイズ計測,フットプリント採取,靴の評価を行い,子ども達の足と靴に関する現状(足と靴のサイズ適合や浮き趾の有無など)を調査すること。
【方法】
対象は保育所に通園する子ども(学童保育小学生含む)37名(3.7±2.1歳)。足サイズ計測は,荷重位での足長(以下,実測足サイズ),荷重位・非荷重位での足囲・足幅を計測(ディモコシステムス社製フットゲージ,メジャー使用)。フットプリント採取は,フットプリンター(バウワーファインド社製使用)にて,両脚支持安静立位で採取。※足サイズ計測とフットプリント採取はNPOオーソティックスソサエティーが推奨する手順に則り,一定の技術を習得した者が行った。靴評価は,現在履いている靴の中敷を外して実際に計測したサイズ(以下,実測靴サイズ),及び足と靴のつま先形状を確認。本研究では,①実測足サイズと実測靴サイズの差,②浮き趾の有無と部位,③足と靴のつま先形状について調査した。
【結果】
①実測足サイズは,永井らの報告した年代別足データの平均値よりもやや大きい結果であった。実測足サイズと表記靴サイズの差は,5mm以下が12名で32%(男子4名,女子8名),16mm以上が11名で30%(男子5名,女子6名)と6割以上の子どもは余裕がない,もしくは余裕がありすぎる靴を履いていた。実測靴サイズ-実測足サイズの最小値は-3mm,最大値は+36mmだった。
②浮き趾を両側に認めた子どもは60%,片側のみで20%,浮き趾がない子どもは16%。一側ごとに1~2個の浮き趾を認める子どもが最も多く,3~4個も少なくなかった。部位は第4趾が28%,第5趾が61%と外側に多い傾向。
③足の形は,母趾が長いタイプが57%,示趾が長いタイプが30%,足趾の長さが平行に近いタイプが13%。靴の形は,母趾が長いタイプが19%,示趾が長いタイプが32%,平行に近いタイプが49%であり,足と靴の形が一致していた子供は43%程度だった。
【結論】
・足と靴の調査を行い,サイズの合わない靴を履いている子どもが少なくない現状があったことから,定期的かつ継続的にサイズを知る機会を設ける必要性を感じた。
・足趾が使えていない浮き趾の割合は多く,外側に多い傾向から,靴内での隙間や足アーチ形成の未発達が影響していると考えられ,適切な靴選びと靴による足機能のサポートも考える必要性があると思われる。
・足と靴の形状不一致から,足のトラブルを招くことが報告されており,靴を購入する保護者に足と靴の知識を伝える重要性を感じた。
私達は幼い頃から靴を履く生活を送っているが,その正確なサイズを知る機会は少なく,保護者の判断や履いた感触を基に靴選びを行うことが多い。足に合わない靴を履くことは,足の痛みや変形などのトラブルに繋がることが報告されているが,大人になっても自分の足サイズを知らずに靴を選ぶ人が多数いる現状がある。
本研究の目的は,保育所に通園する子ども達を対象に足サイズ計測,フットプリント採取,靴の評価を行い,子ども達の足と靴に関する現状(足と靴のサイズ適合や浮き趾の有無など)を調査すること。
【方法】
対象は保育所に通園する子ども(学童保育小学生含む)37名(3.7±2.1歳)。足サイズ計測は,荷重位での足長(以下,実測足サイズ),荷重位・非荷重位での足囲・足幅を計測(ディモコシステムス社製フットゲージ,メジャー使用)。フットプリント採取は,フットプリンター(バウワーファインド社製使用)にて,両脚支持安静立位で採取。※足サイズ計測とフットプリント採取はNPOオーソティックスソサエティーが推奨する手順に則り,一定の技術を習得した者が行った。靴評価は,現在履いている靴の中敷を外して実際に計測したサイズ(以下,実測靴サイズ),及び足と靴のつま先形状を確認。本研究では,①実測足サイズと実測靴サイズの差,②浮き趾の有無と部位,③足と靴のつま先形状について調査した。
【結果】
①実測足サイズは,永井らの報告した年代別足データの平均値よりもやや大きい結果であった。実測足サイズと表記靴サイズの差は,5mm以下が12名で32%(男子4名,女子8名),16mm以上が11名で30%(男子5名,女子6名)と6割以上の子どもは余裕がない,もしくは余裕がありすぎる靴を履いていた。実測靴サイズ-実測足サイズの最小値は-3mm,最大値は+36mmだった。
②浮き趾を両側に認めた子どもは60%,片側のみで20%,浮き趾がない子どもは16%。一側ごとに1~2個の浮き趾を認める子どもが最も多く,3~4個も少なくなかった。部位は第4趾が28%,第5趾が61%と外側に多い傾向。
③足の形は,母趾が長いタイプが57%,示趾が長いタイプが30%,足趾の長さが平行に近いタイプが13%。靴の形は,母趾が長いタイプが19%,示趾が長いタイプが32%,平行に近いタイプが49%であり,足と靴の形が一致していた子供は43%程度だった。
【結論】
・足と靴の調査を行い,サイズの合わない靴を履いている子どもが少なくない現状があったことから,定期的かつ継続的にサイズを知る機会を設ける必要性を感じた。
・足趾が使えていない浮き趾の割合は多く,外側に多い傾向から,靴内での隙間や足アーチ形成の未発達が影響していると考えられ,適切な靴選びと靴による足機能のサポートも考える必要性があると思われる。
・足と靴の形状不一致から,足のトラブルを招くことが報告されており,靴を購入する保護者に足と靴の知識を伝える重要性を感じた。