日本デザイン学会 第69回研究発表大会

講演情報

オーガナイズドセッション

[2room3-1700] オーガナイズドセッション 1「インダストリアルデザイン概念の矮小化」

2022年6月25日(土) 17:00 〜 18:30 口頭発表 第3会場

17:00 〜 18:30

[2room3-1700-1add] オーガナイズドセッション 1「インダストリアルデザイン概念の矮小化」

オーガナイザー:
 青木 史郎/プロモーションデザイン研究部会

パネリスト等:
問題提起:
 黒田 宏治/静岡文化芸術大学

パネルディスカッション:
 青木 史郎/中国美術学院
 蓮見 孝/筑波大学
 田中 一雄/GKデザイン機構

「プロモーションデザイン研究部会」は、デザインの行政・振興活動の研究に軸足をおき、デザインをめぐる様々な課題について、アカデミックに論議する場を提供してきます。今回は「インダストリアルデザイン概念の矮小化」をテーマに、ゲストと学会員の皆様と共に、この要因について見識を深めていきます。

 「インダストリアルデザイン」は、その発生からみて「売れる商品を創るデザイン」「企業を成功に導くデザイン」といった意味を充てるのが妥当と思われます。通商産業省がデザイン課を設立してまで産業への普及を勧めたかったのも、このデザインが「産業のためのデザイン」であったからに他なりません。しかしその後、この「インタストリアルデザイン」の中核が大規模製造業へと移るに従い、「工業デザイン」へ、さらには「プロダクトデザイン」へと対象範囲が縮小し、「インダストリアルデザイン」に内在していた、総合性とダイナミズムが失なわれていったように思われます。この「矮小化」を改めて問うことは、デザインビジネスの発展や新しいデザインニーズを捉えていくタフなデザインのあり方を再考していく手がかりとなるはずです。