日本デザイン学会 第69回研究発表大会

講演情報

ポスター

[PA] エリアA(家具、木工、建築、インテリア、環境、景観、地域振興、地域研究、その他)

2022年6月26日(日) 10:50 〜 11:50 エリアA (ポスター発表)

[PA-09] 信号機のない横断歩道直前での一時停止誘導標示による運転者の注視挙動

立体路面文字標示を対象として

*呉 敏1、永見 豊2、滝沢 正仁2 (1. 拓殖大学大学院、2. 拓殖大学)

キーワード:Trick Art, Eye-Movement, Traffic Safety


信号機のない横断歩道は歩行者が優先であり、運転者はその手前で停車できるように速度を落として進まなければならない。
筆者らはドライビングシミュレーターを用いた実験により、「歩行者優先」の立体路面標示が運転者の停止意欲を高める効果があり、設置数は多い方が良いが、横断歩道の直前では逆効果という結果を導いた。その理由は立体路面標示に誘目され、歩行者への注意が怠るためと予想された。そこで、本研究では、横断歩道の直前に立体路面標示がある場合での運転者の注視挙動の調査実験を行った。横断歩道の直前での立体路面標示の有無による運転者の注視挙動を分析した結果、歩行者までの35mまで近づく区間では、歩行者への注視回数は、標示有りが1回に対して無しが2回と多くなり、注視時間も1秒程度長くなることが分かった。この区間では路面標示に注視しており、その分、歩行者への注視が減ったためと考えられる。また、路面標示部分でのカラー舗装の有無では、注視挙動に違いは見られなかった。以上から、歩行者への注視を高めるためには、立体路面標示は横断歩道から離して設置するのが望ましいことが分かった。