第11回 日本緩和医療薬学会年会

セッション情報

シンポジウム

[S-13] シンポジウム13 疼痛学、腫瘍学、精神医学の境界型緩和医療を科学的に捉える

2017年6月3日(土) 15:40 〜 17:40 第4会場 (中ホールB)

オーガナイザー・座長:成田 年 (星薬科大学 薬理学教室), 座長:光永 修一 (国立がん研究センター東病院 肝胆膵内科 国立がんセンター 先端医療開発センター バイオマーカー探索TR分野)

がんの病態を理解するにあたり、疼痛学、腫瘍学、精神医学は互いに密接にクロストークしていることがわかる。すなわち、慢性疼痛は脳高次機能変化を引き起こし不安、抑うつ、睡眠障害のような情動障害を伴う。痛みはがんを増悪化させ、がんの増悪化はがん悪液質状態を引き起こす。さらに悪液質の進行した状態はスピリチュアルペインとよく符合しており、患者のQOL を著しく低下させる大きな要因となる。こうした状況下において、これからのがん治療は一分野に特化した治療だけではなく、身体的苦痛から精神的苦痛まで患者の苦痛をトータルに緩和する“境界型緩和医療”という新しい形の治療が求められている。そこで本シンポジウムは、各分野の最新の研究知見を紹介すると共に、科学的エビデンスに基づいた新しい緩和医療のあり方を提案、議論する。