第27回近畿臨床工学会

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シンポジウム2

2021年9月25日(土) 15:30 〜 17:00 第1会場 (ZOOM)

座長:伊東 朋子(大阪医専 教務部 臨床工学学科)、宇座 英慈(大阪国際がんセンター 臨床工学技士室)

16:00 〜 16:15

[SY2-3] 心臓カテーテル領域におけるタスクシフトと教育について

*木田 博太1 (1. 大阪急性期・総合医療センター 臨床工学室)

心臓カテーテル領域は、CAGなどの検査業務、PCI、EVTなどの冠動脈・末梢治療業務、カテーテルアブレーションなどの不整脈治療業務に大別される。こうした領域において臨床工学技士は各種機器を操作し、その業務内容は現在確立されつつある。更に助手的立場として、清潔領域でのサポート業務も以前より各施設で実施されており、こうした清潔業務の効果として、医師の他業務への対応や手技時間の短縮に繋がっている。
今回の法改正においても心臓カテーテル領域では、カテーテルアブレーションでの機器操作に対する法的裏付けが取られ、より業務進出の機会が多くなると思われる。このように心臓カテーテル領域は、施設間の差異はあるが、現状においても比較的タスクシフトが進んでいる分野であり、臨床工学技士の専門的な知識・技術の習得が求められている。また本領域は主に循環器内科医師が、前述の各分野で専門性を持って治療に当たっている。こうした専門性の高い医師とタスクシフトを進めていく上では、当然ながら各分野において、臨床工学技士もより深い知識や技術の習得が必要であり責務である。
私個人も、こうしたタスクシフトにより医師やその他医療スタッフからも信頼され、更にそれが知識・技術習得のモチベーションに繋がることを経験してきた。現在、心臓カテーテル領域での教育は各施設のOn The Job Trainingが主体となっているが、今後は法的にも認められた業務として、養成校の段階からの教育が必要になると思われる。養成校にて『基礎』や『考える力』を教育し、臨床現場にて各施設の現状に則したOn The Job Trainingを実施した上で、学会や技士会の認定士を取得するという教育の流れを構築することが、本分野の更なる業務発展に繋がると思われる。