第27回近畿臨床工学会

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ME(機器管理)

座長:篠原 智誉(三菱京都病院 臨床工学科)、加藤 慎章(社会医療法人弘道会なにわ生野病院 臨床工学科)

[02-04] 除細動器の定期点検を院内にて臨床工学技士が行った結果、得られた効果

*橋本 裕介1、吉川 誠人1、吉村 豊1 (1. 阪奈中央病院 臨床工学室)

【目的】
除細動器は2009年~2013年当時3台所有しており、全台定期点検を業者委託していた。2014年以降、除細動器を追加購入し計10台所有している。しかし、2014年~2018年は業者との定期点検契約を結んでおらず、定期点検を行っていなかった。高度管理医療機器に該当する機種であることから確実に定期点検を行うよう2019年から臨床工学技士(以下:CEとする)が定期点検を行う事にした。それにより効果が得られたので報告する。

【方法】
1年に2回、定期点検を行う事とする。
点検項目は日本臨床工学技士会著『医療機器の保守点検に関する計画及び保守点検の適切な実施に関する指針Ver1.02』をもとに作成した。
エネルギーチェッカ(日本光電AX-103V:以下チェッカとする)を使用し、出力エネルギの実測値測定、同期放電、AEDモード、体表ペーシング、外観点検、本体設定の6項目を対象とした。

【結果】
チェッカを購入する事で業者委託することなく定期点検を確実に実施する事が出来るようになった。
2019年~2021年5月までの計47件の定期点検を行った結果、日本光電社ゲルエイド®の使用期限切れ7件、使い捨てパッド:P-511®の使用期限切れ2件、バッテリの期限切れ2件、エコー検査用ゼリー・心電図ペーストが備えられていた事が2件あった。

【今後の課題】
電気的安全性の点検を行うこと。

【まとめ】
CEが定期点検を行う事で周辺物品の点検、管理も合わせて行えるようになった。
新人技士が定期点検を行う事で操作方法や画面表示の見方など理解が深まる一助となった。
ゲルエイド®使用期限切れ、エコー検査用ゼリー・心電図ペーストとの誤用防止のため、3M社Defib-Pads®を導入し安全使用への向上につながった。
救急蘇生具である除細動器を安全かつ適切に使用出来るよう啓発活動を行う機会を得るという大きな効果を得た。