第27回近畿臨床工学会

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COVID-19①

座長:中村 拓生(明石市立市民病院 臨床工学課)、杉浦 正人(関西医科大学香里病院 腎臓病センター医用工学室)

[09-05] 透析センタでのCOVID-19陽性患者の血液透析運用マニュアルを作成して

*福川 佳奈1、高瀬 博章1、高鷲 智美2、松村 貴裕1 (1. 医療法人徳洲会 吹田徳洲会病院 臨床工学室、2. 医療法人徳洲会 吹田徳洲会病院 感染対策部門)

[背景]
当院では軽症や中等症Ⅰの患者を受け入れているが、大阪府内の患者受入重症病床使用率増加に伴い、重症化した患者が転院できないために継続して治療をおこなっている。以前より、COVID-19陽性患者(以下 陽性患者)の血液透析はICUの陰圧個室にておこなっていたが、今回、入院中の透析患者4名がCOVID-19陽性となったため、透析センタで血液透析をおこなうことにした。

[目的]
透析センタにおける陽性患者の血液透析運用マニュアルを作成したため、報告する。

[血液透析運用マニュアルの内容]
陽性患者入室前の事前準備、入退室方法、開始および終了時、清掃のほかにゾーニング、必要なPersonal Protective Equipment (以下PPE)の種類について記載した。

[血液透析運用マニュアルを使用した結果] 
患者の入退室は午前の患者と午後の患者が交差することなくおこなえた。レッドゾーンとグリーゾーンの連携はスムーズにおこなうことができ、大きなトラブルもなく血液透析をおこなうことができた。しかし、PPEと清掃の項目に不足部分があった。

[考察]
スタッフの役割分担をレッドゾーンとグリーンゾーンで明確にすることで飛沫、接触感染予防となり大きなトラブルもなく血液透析をおこなうことができたと考えられるが、スタッフのPPE着用後の不適切な行動や、患者退室後の清掃で誰がどこを清掃したのか、どこまで清掃しなければいけないのかわからないなどの問題があったと考える。

[課題]
スタッフへのスタンダードプリコーションの再教育、血液透析運用マニュアルに詳細なPPEと清掃方法について追記する必要がある。