第27回近畿臨床工学会

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シンポジウム7

2021年9月26日(日) 09:30 〜 11:00 第2会場 (ZOOM)

座長:岡田 未奈(社会福祉法人恩賜財団 済生会西条病院 医療機器管理室)、定 亮志(大阪市立大学医学部附属病院)

10:20 〜 10:30

[SY7-6] 働きながら医療機器開発の実現を目指す ~バイオデザインフェローを経験して~

*吉田 幸太郎1 (1. 大阪大学医学部附属病院)

一人でも多くの患者さんの治療と医療に貢献したい、日頃からこのように考えている臨床工学技士はたくさん存在すると想像します。臨床工学技士の臨床業務は、人工透析や人工呼吸器、人工心肺等の生命維持管理装置を管理する責務があります。近年ではCOVID-19の重症呼吸不全に対するECMO治療により、臨床工学技士がますます注目されています。その一方、働き方改革が推進され、タスク・シフティング(医師から多職種への業務移管)により、新たな挑戦が求められます。今後、時代の変化とともに臨床工学技士もさらに殻を一歩破ることが成長の鍵であるということは言うまでもありません。
発表者は医療機器開発に興味を持ち、2019年10月から2020年7月までジャパンバイオデザインフェローシッププログラムの第5期生としてデザイン思考を学ぶ貴重な機会を得ました。バイオデザインとは、開発の初期段階から事業化の視点を検証しながら、医療現場のニーズを出発点として問題の解決策を開発し、イノベーションを実現するアプローチを特徴とするプログラムであります。
バイオデザインのフェローを経験して、やはり医療機器開発に興味があるというだけでは実現することは難しく、まずは専門的な知識が必要です。また、その分野の技術を精通するには、それが手に入る環境に身を置き、まずは妄想して行動することが成功への第一歩と考えます。そのために私たちができることは、まずは、自分の身の回りの存在から、多様な生き方に触れて知見を広げていくことが重要なのではないでしょうか。
今回、バイオデザインで経験した医療機器開発の挑戦を提示するとともに、臨床工学技士の未来の可能性を議論したいと思います。