第27回近畿臨床工学会

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シンポジウム6

2021年9月26日(日) 13:10 〜 14:40 第2会場 (ZOOM)

座長:杉原 尚枝(社会医療法人彩樹 豊中敬仁会病院)、酒井 徳昭(京都第二赤十字病院 臨床工学課)

13:20 〜 13:30

[SY6-2] 新型コロナウイルスとワークライフバランス~重症者受入れ施設のCEとして~

*広瀬 元1 (1. 地方独立行政法人 市立大津市民病院 臨床工学部)

ワークライフバランス(以下WLB)とは仕事と生活の調和であり、より調和が高い人・WLB実現度が高い人ほど、やりがいのある仕事を行いながら仕事以外のやりたいことができているといえる。このWLBを実現するには社会制度や勤務先の協力、また個人的な意識変革など様々な課題が存在するが、今回はコロナ渦における私の働き方を皆様と共有しWLBが実現できているのか考えていきたい。
私は市中病院に勤務する臨床工学技士(非管理職)である。入職から11年が経過し、臨床業務に後輩指導、新たな業務の開拓などを行っている。当院の特殊性として第一種感染症指定医療機関という役割があるが、入職から昨年まで特に意識をしたことはなく、来るべきその日のためにN95マスクの装着練習をときおり行うのみであった。生活面では旅行やバーベキュー・登山などを楽しみ、コロナ渦直前は妻とともに第1子の誕生を心待ちにしている状況であった。そのような折、新型コロナウイルスが世界各地で流行し、当院においても2020年3月から患者受入れが始まった。当初は技士長含む少数のスタッフで対応に当たる予定であったが、感染拡大・重症者の発生が予想を上回るペースであり当院の感染症病床が逼迫していくなか、対応するスタッフも順次拡大していった。2020年4月には新型コロナウイルス重症者にV-V ECMOを導入し、それまでより濃厚に患者対応していくこととなった。当時は新型コロナウイルスに関する情報や経験が少なく、スタッフ皆が不安を抱えながら業務に当たっており、家に家族や小さな子供がいる一部のスタッフは自宅に戻らずホテルでの隔離生活を選択した。私の場合も自宅には妊娠中の妻がいたため結果的に1カ月ほど別居生活を送っていた。このようにWLBとは程遠いような生活ではあるが、当時の様子を学会当日にお伝えしたい。
WLBとはなにか、よりよいバランスの取り方など皆様とともに考え、今後に活かせるヒントを持ち帰れるよう私自身楽しみにしている。