第27回近畿臨床工学会

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シンポジウム6

2021年9月26日(日) 13:10 〜 14:40 第2会場 (ZOOM)

座長:杉原 尚枝(社会医療法人彩樹 豊中敬仁会病院)、酒井 徳昭(京都第二赤十字病院 臨床工学課)

13:30 〜 13:40

[SY6-3] ワークライフバランスについてV-VECMOを経験して感じたこと

*築山 隆仁1 (1. 社会医療法人 弘道会 守口生野記念病院臨床工学科)

当院は北河内医療圏に位置する199床の2次救急病院である。2020年4月より新型コロナウィルス感染症患者の受け入れを開始し重症患者の受け入れも行った。救急受け入れを止めないという方針の元、重症患者についてもICUではなくコロナ感染症病棟内にて治療を行い、2020年7月時点では一般病棟の一角をパーテーションで閉鎖し4室をコロナ病棟とし病室をレッドゾーンと扱い廊下で個人防護(ガウン、マスク、フェイスシールド、手袋)を着用し入室した。2020年7月末よりV-VECMOの治療を開始された。当院ではMEは当直を行っておらず緊急時のオンコール対応のみであったが、ECMOが使用された際は当直を行う決まりになっており、法人内別病院より1名の応援を得て計5名のMEが交代でECMO業務に携わった。5名の内、緊急時のオンコール対応者は2名で対応者が当直している場合の緊急カテーテル業務はそのまま対応し当直者がオンコール対応者でない場合の緊急カテーテル業務は電話呼び出しされるという勤務形態であった。また一度コロナ病棟へ入ったMEはその日の勤務中は一般病棟や透析室などの一般患者と接する可能性のある業務を行わないこととし院内感染を起こさないよう努めた。基本患者バイタルに大きな変動が無い限り2時間毎にチェックを行い、間の時間は看護師に管理していただいた。2021年2月に2度目のECMO業務が発生した。この時点では大阪府の感染者数増加に伴いコロナ病棟は別階へ移設され病床数も増えていた。多数の患者の看護を行う際に入室、退室の際に毎回個人防護の着脱を行わなければならず防護着の消費を抑えるため廊下の防火扉を閉めることで廊下からレッドゾーンとし複数の病室への往来をスムーズに行えるようになった。2021年1月より感染症入院患者の増加に伴いフロア全域がコロナ病棟となり重症4名中軽症20名の計24名の受け入れを行った。2021年7月現在までにV-VECMO治療は5件行われ呼吸器の同時の最大稼働数は10台であった。V-VECMOの当直業務を行いつつ通常の日勤業務を行わなければならず一部のMEに業務が偏ってしまった。また当院では初のV-VECMOの経験であり対応するMEにより手技の練度の差が顕著に出てしまった。業務の偏りを解消するために手の空いているMEがサポートに回ることが重要であると感じた。