[07-03] グループ施設間における内視鏡スコープATP測定の統一に向けた運用方法を検討して
背景
グループ施設間での内視鏡一次洗浄の清浄度基準値・手技統一化を促すため、一次洗浄後ATP値150RLU以下を目標とし、ATP測定機器を用いて一次洗浄後にATP測定を行った。測定はグループ施設中関西大阪内視鏡ワーキンググループ(以下WGと表記する)に属す8施設を指定した。測定結果と今後の指針について報告する。
方法
①測定使用物品の統一化のため事前アンケートを行った。内容は試薬購入可否、ATP測定機器の所持未所持など。測定手技の統一化の為には測定資料を作成した。②アンケートの結果、ATP測定機器未所持施設はATP測定機器所持施設からの貸出対応とした。③測定本数は各施設スコープ10本とし、測定箇所はスコープ先端・吸引ボタン取付部・鉗子チャンネル・吸引ボタンの4か所とした。④集まった測定結果を目標の150RLU以下に基づき分析した。
結果
➀各測定部位別では、吸引ボタン取付部、スコープ先端が高値の傾向がみられた。②施設別では、平均値において目標値150RLU以下を満たした施設はほぼなかったが、200RLU以下であれば全施設達成していた。しかし最大値を見ると400RLU以上の施設が多数あった。
考察
結果①より、各測定部位の傾向として、吸引ボタン取り付け部が高値であった事は、スコープ内部の構造的に洗浄ブラシを確実に接触させるのが難しいからではないかと考える。また、先端が高値であった事は、洗浄ブラシを通した後濯ぎを確実に行えているかどうかではないかと考える。結果②より、施設別では、平均値を見るとどの施設も200RLU以下を満たしていたため、測定→考察→再洗浄を繰り返せば目標値達成は圏内であると考える。また、最大値の上振れが多くの施設であった事から、洗浄者・環境による測定手技のバラつきも存在すると考える。以上より、理想的な洗浄とは、いついかなる時でも求められる清浄度の保証が出来る手技であり、これの実現のためには誰にでも確実に実行可能な統一された手技のマニュアル化が必要であると考える。
結語
他施設と合同で測定を行う事は測定誤差を無くす事が難しいが、今回限りなく手技の統一化を意識した事により各施設測定値の信頼度は高く比較データとして有用であると感じた。一方で、測定本数10本では詳細な分析は難しく、試行回数を増やす事が望ましい。今回のような施設間測定の運用ノウハウを得られた事はグループ施設において有益であった。この経験を活かして、グループ内全施設で測定を行うのが恒常的になり、常に一次洗浄後ATP150RLU以下を目指せるような環境を作って行きたい。
グループ施設間での内視鏡一次洗浄の清浄度基準値・手技統一化を促すため、一次洗浄後ATP値150RLU以下を目標とし、ATP測定機器を用いて一次洗浄後にATP測定を行った。測定はグループ施設中関西大阪内視鏡ワーキンググループ(以下WGと表記する)に属す8施設を指定した。測定結果と今後の指針について報告する。
方法
①測定使用物品の統一化のため事前アンケートを行った。内容は試薬購入可否、ATP測定機器の所持未所持など。測定手技の統一化の為には測定資料を作成した。②アンケートの結果、ATP測定機器未所持施設はATP測定機器所持施設からの貸出対応とした。③測定本数は各施設スコープ10本とし、測定箇所はスコープ先端・吸引ボタン取付部・鉗子チャンネル・吸引ボタンの4か所とした。④集まった測定結果を目標の150RLU以下に基づき分析した。
結果
➀各測定部位別では、吸引ボタン取付部、スコープ先端が高値の傾向がみられた。②施設別では、平均値において目標値150RLU以下を満たした施設はほぼなかったが、200RLU以下であれば全施設達成していた。しかし最大値を見ると400RLU以上の施設が多数あった。
考察
結果①より、各測定部位の傾向として、吸引ボタン取り付け部が高値であった事は、スコープ内部の構造的に洗浄ブラシを確実に接触させるのが難しいからではないかと考える。また、先端が高値であった事は、洗浄ブラシを通した後濯ぎを確実に行えているかどうかではないかと考える。結果②より、施設別では、平均値を見るとどの施設も200RLU以下を満たしていたため、測定→考察→再洗浄を繰り返せば目標値達成は圏内であると考える。また、最大値の上振れが多くの施設であった事から、洗浄者・環境による測定手技のバラつきも存在すると考える。以上より、理想的な洗浄とは、いついかなる時でも求められる清浄度の保証が出来る手技であり、これの実現のためには誰にでも確実に実行可能な統一された手技のマニュアル化が必要であると考える。
結語
他施設と合同で測定を行う事は測定誤差を無くす事が難しいが、今回限りなく手技の統一化を意識した事により各施設測定値の信頼度は高く比較データとして有用であると感じた。一方で、測定本数10本では詳細な分析は難しく、試行回数を増やす事が望ましい。今回のような施設間測定の運用ノウハウを得られた事はグループ施設において有益であった。この経験を活かして、グループ内全施設で測定を行うのが恒常的になり、常に一次洗浄後ATP150RLU以下を目指せるような環境を作って行きたい。