MMIJ Annual Meeting 2014

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企画講演

鉱業史

Wed. Mar 26, 2014 1:00 PM - 4:10 PM 第3会場 中セミナー室2 (As301・302)

司会:久間 英樹(松江工業高専)、中西 哲也(九州大学)

2:00 PM - 2:30 PM

[13-03] Determination of the sources of vermillion used in Japanese Burial mounds of Yayoi and Kofun periods.

河野 摩耶1、南 武志1、今津 節生2 (1. 近畿大学、2. 九州国立博物館)

司会:久間 英樹(松江工業高専)

古代の赤色顔料には朱・ベンガラ・鉛丹の三種類があり、この中で朱は考古学研究の対象とされてこなかった。ところが近年では産地推定の方法が確立し、研究の基盤が整った。国内の硫黄含有鉱物の硫黄同位体比分析結果から、硫黄同位体比は鉱物種や化合物に依存せず、地域性が存在していることが知られている。朱鉱石を硫黄同位体比分析で行ったところ、中国産朱鉱石がプラス値を、古代から朱を採取したと推定されている丹生鉱山、大和水銀鉱山、水井鉱山産朱鉱石は全てマイナス値を示した。そこで日本列島における弥生から古墳時代にかけての墳墓・古墳で使用された朱を対象として分析したところ、前方後円墳の登場と連動して中国産から国産へと転換することが分かった。この背景には近畿地方中央部に成立した政権が、国産朱の配布に主導的な役割を果たしたことが推定される。この想定に立って、北部九州・山陰・徳島・奈良における中国産朱から国産朱への転換の過程を跡付けた。その結果、副葬品や埋葬施設の構成要素と連動してその変化が起こっていることが分かった。以上のことから、朱も他の考古資料と同様に、地域間関係や社会構造の復原に寄与するものと考えられる。

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