10:15 〜 10:30
[32-02] 炭素熱還元法を⽤いた希⼟類磁⽯スラッジからの希⼟類元素抽出法
司会:原口 大輔(三菱マテリアル)
希土類磁石の製造工程では大量の研磨屑(スラッジ)が発生する。スラッジの中には有価物である希土類元素が含まれ、これらを廃棄せずリサイクルすることは資源有効活用の点で重要な課題である。現在、スラッジから希土類元素を抽出するには酸溶解と沈殿による湿式法が用いられているが、大量の酸化鉄が汚泥として排出され、廃棄されている。今回、鉄も有価物としての回収が期待できる炭素熱還元法を用いてスラッジからの希土類元素の抽出を試みた。炭素熱還元法は製鉄で使われている手法であり、鉄鉱石中の鉄のみを炭素によって熱還元し、還元されない酸素との親和性の強い元素をスラグとして回収する。本研究では炭素熱還元の前にスラッジの予備酸化を行い、これを鉄鉱石に見立てて炭素熱還元処理を行った。試料の酸素濃度と分離性の関係を調べた結果、希土類元素が十分に酸化するだけの酸素があれば、炭素熱還元により鉄とスラグに分離することが分かった。スラグ中には希土類元素のほかに磁石成分であるホウ素が含まれるが、希土類元素とホウ素が複合酸化物を形成することによってスラグの融点が低下し、鉄との分離を容易にすることが明らかとなった。
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