一般社団法人資源・素材学会 平成26(2014)年度 春季大会

講演情報

一般講演

リサイクリング

2014年3月28日(金) 13:00 〜 15:00 第2会場 中セミナー室1 (An401・402)

司会:原口 大輔(三菱マテリアル)、星 裕之(日立金属)、王 立邦(東京大学)、所 千晴(早稲田大学)

14:15 〜 14:30

[32-12] リチウムイオン電池の電解液無害化とフッ素成分回収に関する基礎研究―その1―

平田 浩一郎1、原口 大輔1、林 浩志1、藤澤 龍太郎1 (1. 三菱マテリアル株式会社)

司会:所 千晴(早稲田大学)

リチウムイオン電池(LiB)は非水系の電解液を使用しており,リサイクル工程ではその無害化が求められる.電解液には,数種の炭酸エステル類が溶媒として用いられ,電解質には1mol/Lのヘキサフルオロリン酸リチウム(LiPF6)が溶解している.ただし炭酸エステル類は引火性溶媒であり,またLiPF6は分解してフッ化水素を生成するため,非常に危険性が高い.そこで本研究では電解液の揮発成分を気化させて回収する無害化処理の基礎検討を行なった.調合電解液を減圧下で加温して気化させたところ,有機溶媒は気化できたが,LiPF6はそのまま塩として残留した.一方で電解液に少量の水分を添加して同様に減圧気化させると,LiPF6は大量のHFを生成しながら加水分解し,さらに生成したHFは有機溶媒と同時に気化,回収できることが確認された.その際の気化回収した凝縮液のフッ素濃度は86000 mg/Lと高濃度となり,後段でCaF2としてフッ酸製造原料としてリサイクルすることを検討中である.この方法を使用済みLiBリサイクル工程に適用することで,LiBの効率的な無害化が実施できる可能性が示された.

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