グリーンアジアのためのエネルギーおよび資源確保の戦略

[A1-16] 酸性坑廃水処理の将来予測を目的とした水酸化アルミニウムへのZnの表面錯体モデル構築（口頭発表）

^○榊原泰佑¹, 鈴木慎哉¹, 所千晴² (1.早稲田大学大学院, 2.早稲田大学)

司会:島田英樹(九州大学工学研究院)

キーワード：Zinc, Co-precipitation, Aluminum hydroxide

酸性坑廃水中に存在するZn(II)は一般的に水酸化第二鉄や水酸化アルミニウムとの共沈作用を利用して処理されているが，2006年にZn(II)の排水基準が5 mg/Lから2 mg/L以下に強化されたことから，Zn(II)の共沈処理の機構解明および定量的把握が急務となっている。本研究では，酸性坑廃水処理における水酸化アルミニウムによるZn(II)共沈処理の定量的な予測を目的として，表面錯体モデルを用いた定量モデル化を試みた。まず，pHおよびイオン強度を制御したZn(II)溶液に対する水酸化アルミニウムによる吸着および共沈実験を実施し，水酸化アルミニウムによるZn(II)共沈機構は主として表面錯体形成であることを確認した。次に比表面積の測定値より交換容量を求め，水酸化アルミニウムに対するH⁺，OH^-，Zn(II)の表面錯体形成係数を種々のpHおよびZn(II)初期濃度に対する等温線へのフィッティングにより求めた。得られたパラメータは過去に提唱されている既往のパラメータ値と良好に一致した。さらに、得られたモデルと，水酸化第二鉄に対する既往の表面錯体モデルを化学平衡計算に組み込んだところ，実在する酸性坑廃水処理におけるZn(II)の挙動を定量的にモデル化することができた。（若手ポスターに発表）