資源・素材2015(松山)

講演情報

企画講演

土壌汚染対策の新展開ー新規規制・自然由来物質への対応ー

2015年9月8日(火) 13:00 〜 16:00 第2会場 (EL22)

司会:駒井武(東北大学), 晴山渉(岩手大学), 中村謙吾(東北大学)

13:20 〜 13:40

[1206] 廃止鉱山残土堆積場におけるスラグの風化と土壌汚染

末岡裕理1, 岡田弘1, 畑中真菜美1, 佐野栄2, 世良耕一郎3, 榊原正幸1 (1.愛媛大学理工学研究科, 2.愛媛大学教育学部, 3.岩手医科大学サイクロトロンセンター)

司会:晴山渉(岩手大学)

キーワード:製錬スラグ, 風化, 重金属汚染, 地衣類

我が国には,有害重金属を含む製錬スラグが廃棄・放置されている廃止鉱山残土堆積場が多数存在しており,これに関する重金属汚染リスク評価の重要性は高い.本研究ではXRD・SEM-EDS・XRFおよびPIXEを用いて,スラグの風化と重金属汚染の関係を明らかにした.
本調査地域のスラグは主に鉄-亜鉛ケイ酸塩相・硫化物相・ガラス相・フラックスの溶け残りであるケイ酸塩相・その他木片などの不純物で構成されており,乾燥重量で最大Znを22.7 %;Cuを16,300 mg/kg;Asを582 mg/kg;Pbを826 mg/kg含有している.珪亜鉛鉱および硫化物相は他相と比較して風化しやすく,Zn,Cu,AsおよびPb等の溶脱を伴ってイディングサイト様変質相やその他鉄水酸化物相へと変質する.スラグ着生地衣類であるキゴケは,菌糸貫入および有機酸によりスラグを物理学的・生化学的に分解すると共に,無機風化を促進させる.
調査地域の堆積物および河川水は,高濃度のZn,Cu,AsおよびPbを含有している.スラグの風化に伴うZn,Cu,AsおよびPbの溶脱は,この残土堆積場周辺の重金属汚染に関与していると考えられる.したがって,本研究結果は,製錬スラグが廃止鉱山残土堆積場周辺環境の重金属汚染源の一つであることを示唆している.


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