グリーンアジアのための国際資源人材育成戦略

[1310] 産総研における地下資源・環境に関する研究人材の育成

^○光畑裕司 (国立研究開発法人産業技術総合研究所)

司会: 島田英樹(九州大学)

キーワード：産総研、地下資源、地下環境、研究人材、工学系

国立研究開発法人産業技術総合研究所には７つの研究領域があり，その中の一つ，地質調査総合センターは我が国唯一の「地質の調査」を専門とする研究組織である．センターを構成する研究部門の一つである地圏資源環境研究部門は，地下資源および地下環境利用と保全のための情報整備と評価技術の開発をミッションに掲げ，主に国の委託研究に参画している．また現在，産総研全体で成果の「橋渡し」が強く謳われ，部門でも民間企業との共同研究実施および出口を見据えた目的基礎研究を推進している．
地圏資源環境研究部門は，例年数名の博士号取得者の新規研究員を採用しているが，近年，工学部資源系の学科が少なくなり，加えて工学部では，博士課程に進学する学生が少なく，企業との連携研究に親和性のある工学系若手研究員の確保が厳しい状況となっている．さらに，産総研と関連大学との関係が以前ほど緊密ではなく，学生に研究所や部門全体を紹介する機会が少なくなり，研究人材の確保が危機的な状況になりつつある．そのような状況を考慮し，部門では，研究内容や研究環境等に関して，関連大学へ広く紹介し，能動的に人材確保に向けて働きかけを行うよう計画している．