開発機械・岩盤力学・資源開発技術

[2502] 多孔質媒質内浸透流における固体粒子挙動－流体粘性の影響について

^○谷本尚希, 三ケ田均, 武川順一 (京都大学大学院工学研究科)

司会: 陳友晴(京都大学)

キーワード：出砂現象、浸透率、SPH法、２相流

流体のエネルギー資源を生産する際、貯留岩が破壊されて小さな砂となり、貯留層及び生産井に流入する現象は出砂現象と呼ばれ、資源生産の現場ではとても重要な問題として認識されている。出砂現象が発生すると、生産井内に流入した粒子が生産井の内壁を傷つけるほか、貯留層内の間隙を閉塞させることにより浸透率を下げ生産効率に悪影響を及ぼすことが知られている。この現象の解決、または発生を抑制するために、メカニズムの解明が求められているが、この現象は固体と液体が相互作用しつつ流れる混相流であり、その解明はあまり進んでいないのが現状である。本研究では多孔質体を流動する水と固体粒子をSPH法でモデリングし、出砂現象のメカニズム、特に発生した固体粒子の形状の影響をシミュレーションで検討した。シミュレーションの結果、１つの間隙を固体粒子が閉塞させると、流路が限定されることにより大きく浸透率が低下する現象が見られた。これまでの発表では、粒子の形状に変化を加えると、時間ごと浸透率の低下の度合いが大きく変化し、固体粒子形状の分布が出砂メカニズムの要因の１つであることが認められている。今回の発表では、油など高粘性流体を含む場合の出砂現象の実験における、これまでの水・固体二相流とは異なる固体粒子の振る舞いについて議論する。