湿式素材プロセッシング

[1101-10-09] コバルト-チオシアン酸錯体と高分子のゲル状化合物生成における温度依存性

^○白山 栄¹、八馬 健太¹、深田 恒¹、森田 一樹¹ (1. 東京大学)

司会: 大上悟（九州大学）

キーワード：リチウムイオン電池、コバルト、リサイクル

使用済みリチウムイオン電池(LIB)のリサイクルプロセスにおいてコバルト(Co)を水溶液中から回収する手法として、Coのチオシアン酸錯体とポリエチレングリコール(PEG)からなるゲル状の化合物K₂[Co(NCS)₄]・PEG_nの生成をとりあげ、その生成条件について調査を行っている。これまでの調査の結果、ゲル状化合物として沈殿回収されるCoの回収率は、仕込みのCo濃度が高いほど高く、PEG濃度の増加に対しては極大値をもつことが示唆された。本研究では恒温槽を用いた平衡実験を行い、Co回収率の試料組成および試料保持温度に対する変化を調査したのでその結果を報告する。温度一定の条件下では、Coの回収率はPEGの濃度増加に対して単調増加する傾向にあり、5℃～40℃の範囲で試料保持温度に大きく依存することがわかった。Co回収率は低温側で高く、試料保持温度を5℃とした条件では、95%を上回った。