リサイクル（Recycling）

[PY1-34] 気体透過板を用いた容器における還元気化-酸化法によるGa-Zn混合物からの選択回収

○小林 浩平¹、飛岡 夏果¹、久保木 友香¹、清野 肇¹、明石 孝也² (1. 芝浦工業大学、2. 法政大学)

キーワード：ガリウム、リサイクル、還元、気化、亜鉛

窒化ガリウムは照明用発光ダイオードの材料として使用量が増加しており，ガリウム（Ga）回収の必要性も高まっている．Ga酸化物は高温（>1000℃）での還元雰囲気では気化するが，酸化雰囲気では固体で安定である．我々は酸化ガリウム(Ga₂O₃)を還元剤である炭素と共に容器に入れ多孔質セラミックス板で蓋をして加熱すると，多孔質セラミック板を透過した酸素によって蓋周囲に酸化ガリウムを再析出して回収する手法を考案した．本研究では酸化亜鉛(ZnO)を混合させた試料を用い，分離回収できる条件およびその機構を検討した．実験では，グラファイト粉末または樹脂を還元剤として用いGa₂O₃とZnOを混合させた粉末をモデル物質とした．この混合粉末をるつぼに入れ，気体透過板で蓋をし，900～1200 ℃, 1 h, O₂/Ar = 5/95－8/92 kPaの条件で加熱した．酸素分圧および温度によって，結晶が析出する場所が変化した．気体透過板の表には主にZnOが析出し，裏面およびるつぼ内の側面にはGa₂O₃もしくはZnOが析出した．