一般社団法人資源・素材学会 平成30(2018)年度春季大会

講演情報(2018年2月23日付 確定版)

一般講演

資源開発技術・岩盤工学

2018年3月28日(水) 09:00 〜 11:45 第2会場 (3号館3F, 33号講義室)

司会:笹岡 孝司(九州大学),武川 順一(京都大学)

11:15 〜 11:30

[2201-10-09] 幌延深地層研究センターの人工バリア性能確認試験孔周辺の掘削影響領域の経時変化に関する検討

○青柳 和平1、宮良 信勝1、石井 英一1、松崎 嘉輝1 (1. 日本原子力研究開発機構)

司会:武川 順一(京都大学)

キーワード:弾性波トモグラフィ、模擬処分孔、高レベル放射性廃棄物の地層処分、幌延深地層研究センター

幌延深地層研究センターでは、高レベル放射性廃棄物の地層処分技術の信頼性向上を目的として、深度350mの調査坑道において、人工バリア性能確認試験を実施している。当該試験では、処分孔竪置き方式を模擬したピットを坑道底盤に掘削し、ベントナイトを主成分とする緩衝材ブロック、模擬オーバーパック、ヒーターから構成される模擬人工バリアを設置し、坑道全体を埋め戻すことにより、実際の処分環境を模擬し、人工バリア材料および周辺岩盤の長期的な挙動をモニタリングしている。本研究では、ピットおよび坑道を取り囲む二次元断面で実施した弾性波トモグラフィ調査に基づき、坑道およびピット周辺岩盤の長期的な挙動を検討した。調査の結果、ピット掘削後は、坑道の底盤およびピット周辺において、掘削時の岩盤のゆるみに起因すると思われる弾性波速度の顕著な低下を確認した。また、緩衝材ブロックへの注水を開始した後は、底盤部およびピット周辺部の弾性波速度が増大していく傾向を捉えた。これは、注水に伴う緩衝材ブロックの膨潤の影響でピットの内圧が増大したことにより、掘削影響領域の岩盤密度が回復した現象をとらえたものと考えられる。

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