一般社団法人資源・素材学会 平成30(2018)年度春季大会

講演情報(2018年2月23日付 確定版)

一般講演

環境・リサイクル

2018年3月28日(水) 09:30 〜 12:00 第4会場 (3号館4F, 35号講義室)

司会:西須 佳宏(国立研究開発法人産業技術総合研究所),芳賀 一寿(秋田大学)

10:00 〜 10:15

[2401-09-03] 使用済みリチウムイオン電池からの有価物の回収方法

○村岡 秀1、林 浩志1、小泉 博道1、藤澤 龍太郎1 (1. 三菱マテリアル株式会社)

司会:西須 佳宏(国立研究開発法人産業技術総合研究所)

キーワード:リチウムイオン電池、LIB、リサイクル、物理選別、磁力選別

使用済みの車載用リチウムイオンバッテリー(以下LIB)より、活物質、銅、アルミニウムを効率よく分離し、回収するための物理選別プロセスを開発した.放電済みの車載用LIBセルを加熱温度500℃で熱分解した後,二軸破砕機並びにハンマークラッシャーで破砕することで,正極集電体(アルミニウム箔),負極集電体(銅箔)および活物質の微粉末に単体分離した.これらを振動ふるいで分級すると,500μmの網下に粉体状の活物質が90%回収できた.500μm網上にはアルミニウム箔及び銅箔の他にセル外装材の金属塊(アルミニウム等)が含まれる.金属箔と金属塊は風力選別で容易に選別できた.アルミニウム箔と銅箔の相互分離は磁選にて行った.これはアルミニウム箔に正極活物質の磁性酸化物粒子が少量残存するため,アルミニウム箔が磁着することを利用するものである.LIBセルの種類によるが,CoおよびNiの付着率として1wt%~15wt%であれば,磁束密度8000ガウスで効率よく分離できた.本開発プロセスにより,使用済み車載用LIBから活物質98%,銅79%,アルミニウム87%が回収されることが示された.

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