資源・素材2018(福岡)

講演情報(2018年7月31日付 確定版)

若手ポスター発表

鉱物処理(1)

2018年9月11日(火) 13:15 〜 14:15 ポスター会場 (A棟 1階 A14・A15講義室)

13:15 〜 14:15

[PY-21] 固体水酸化ナトリウムを添加した遊星ミル粉砕によるイットリウム含有鉱石の浸出促進に適した形態制御

○加藤 達也1、Giuseppe Granata1、Grabda Mariusz1、所 千晴1、綱澤 有輝2、高木 哲一2 (1. 早稲田大学、2. 産業技術総合研究所)

キーワード:イットリウム、浸出、ゼノタイム、水酸化イットリウム、メカノケミカル反応

浸出法は乾式処理の難しい低品位鉱石や浮選での回収が難しい酸化鉱石に適用されている。しかし,近年浸出法でも有価物を十分に浸出させることが出来ない,もしくは経済的に成り立たない難処理な鉱石が増えてきている。このような難処理鉱石からの有価物浸出を促進するため,粉砕によって後段の浸出に適した化学的形態に変化させる手法が着目されている。本研究では難処理鉱石の1つであるイットリウム含有鉱石からのイットリウム浸出促進を目的とした固体水酸化ナトリウムを添加した遊星ミル粉砕を検討した。
粉砕産物中のイットリウムの形態をXAFS分析によって調べると,粉砕前はxenotime(YPO4)として存在していたが,粉砕後は一部が水酸化イットリウム(Y(OH)3)に変化していた。さらに,xenotimeから水酸化イットリウムへの変化量は粉砕時間と固体水酸化ナトリウム添加量に比例して増加することが確認された。粉砕産物に対して硫酸浸出を実施したところ,イットリウム浸出率は未粉砕試料に比べ最大約80%向上することが確認された。そのため,固体水酸化ナトリウムを添加した遊星ミル粉砕によるxenotimeから水酸化イットリウムへの形態制御は,イットリウム浸出促進に適していることが確認された。

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