湿式素材プロセッシング（1）

[PY-67] 水素発生用MoS₂薄膜の水熱電解合成

○片平 周介¹、小林 弘明¹、中安 祐太¹、本間 格¹ (1. 東北大学)

キーワード：MoS2、水素発生反応、電解合成、水熱条件

水の電気分解はカーボンフリーな水素製造方法として注目を集めている。この水素発生反応(HER)の電極材料には白金が用いられるが、高価・資源的制約などの問題から代替材料の研究が盛んに行われている。その中でもMoS₂は安価且つ資源量が豊富でありながら高い触媒活性を有するため注目を集めている。MoS₂の合成法の一つに、電解反応で陰極基板上にMoS₂を合成する電解合成法がある。この手法は簡便であるが、生成物の低結晶性・低純度などの問題点が存在する。一方で高結晶性のMoS₂の合成手法として、水熱合成法が知られているが、反応に長時間(24-48 時間)必要であるといった問題を抱えている。そこで我々はこれら二つの手法の問題点を克服するため、電解合成法と水熱合成法を組み合わせた水熱電解合成法に着目した。この手法は結晶性の薄膜が合成可能であり、種々の条件を変化させることで生成物の組成や構造を制御可能であるという特徴を持つ。本研究では水熱電解法を用いることで、結晶性で且つMoS₂薄膜のグラッシーカーボン上へのワンポット合成を試み、そのHER触媒活性を評価した。