資源・素材2018(福岡)

講演情報(2018年7月31日付 確定版)

一般講演

高温素材プロセッシング(1)

2018年9月12日(水) 09:00 〜 10:30 第2会場 (A棟 1階 A12講義室)

司会:大石 哲雄(産業技術総合研究所)

09:00 〜 09:15

[3201-06-01] FeOX-CaO-SiO2-Cr2O3系スラグとAl2O3系耐火物の溶損に関する基礎研究

○角川 和也1、山口 勉功2 (1. 早稲田大学大学院、2. 早稲田大学)

司会:大石 哲雄(産業技術総合研究所)

キーワード:液相線、アノーサイト、ゲーレナイト、トリディマイト

二次原料のリサイクルプロセスでは製錬工程の前処理として焼却溶融処理が行われ、製錬工程上障害となる成分は分離除去される。将来的に二次原料が増加することが予想されるため、焼却溶融処理工程の重要性が増している。焼却溶融処理工程に利用されるロータリーキルン炉の壁面は耐火物を用いており強い耐熱性と耐蝕性を示すが、二次原料処理時に生成されるスラグによって耐火物が溶損する場合がある。そこで本研究ではAl2O3系耐火物を想定し、耐火物成分とスラグ成分を含有する系の液相線を実験的に決定し、耐火物成分のスラグへの溶損を低減する条件を検討した。
本研究では全て、温度が1573 K、金属鉄飽和化の条件で平衡実験を行った。Al2O3-CaO-SiO2系スラグの液相線に及ぼす3mass%Cr2O3の影響を調べる平衡実験では、スラグ中にCr2O3を添加することにより、SiO2の液相への溶解度が大きくなることが分かった。次に、Al2O3-CaO-SiO2-3mass%Cr2O3系スラグの液相線に及ぼすFeOXの影響を基本スラグ全量に対しFeOを10~40mass%添加することにより調査した。その結果、液相範囲はFeOXの添加量に伴い、Anorthite(CaAl2Si2O8)側の液相範囲が広がることが分かった。本実験結果より、実操業においてAl2O3系耐火物の溶損を抑制する上では、スラグ中のFeOX濃度を抑制することが望ましい。

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