一般社団法人資源・素材学会 平成31(2019)年度春季大会

講演情報(2019年1月23日付 確定版)

春季学生ポスター発表

湿式素材プロセッシング

2019年3月7日(木) 15:50 〜 17:20 湿式素材プロセッシング (6号館 1階)

15:50 〜 17:20

[2P0131-36-03] 2-Ethylhexylamineを沈殿剤とした白金(IV)の高選択回収

○瀬崎 勇斗1、松本 和也1、寺境 光俊1、芳賀 一寿1 (1. 秋田大学)

キーワード:白金属金属、沈殿法、リサイクル、第一級アミン化合物

白金族金属(PGM)である白金、パラジウム、ロジウムは自動車排ガス触媒に用いられる産業上重要な金属である。PGMは産地が偏在していることから価格変動が起きやすく、また高価なため、リサイクルが必要不可欠である。現在のPGM回収プロセスにおいて白金を選択に回収することは困難であり、大きな課題となっている。本研究では2-Ethylhexylamineを沈殿剤として用いることで、複数種類のPGMを含む塩酸溶液から、白金を沈殿物として選択的に回収する方法について検討した。まずPGMを含む塩酸溶液に2-Ethylhexylamineを加えて振とうし、上澄みのICP分析を行うことで沈殿物の組成を求めた。その結果、塩酸濃度に関係なく90%以上の白金が沈殿していることが分かった。一方で、パラジウムやロジウムの沈殿率は5%未満であり、白金の選択的な沈殿回収に成功した。比較として1-Octylamineを沈殿剤として用いたところ、白金が90%以上沈殿し、パラジウムがほぼ沈殿せず2-Ethylhexylamineと同じ結果になった。しかし、ロジウムも沈殿してしまうため、白金選択性がみられなかった。このようなことから、2-Ethylhexylamineが優れた白金選択性を発現するのは2-Ethylhexylamineがアルキル基に分岐構造を持つことによる立体的な効果が影響していると考えられる。

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