資源・素材2019(京都)

講演情報(2019年8月9日付 確定版)

企画講演

資源探査に関する研究の動向と大規模データプロセッシング

2019年9月26日(木) 09:00 〜 11:35 第7会場 (C1 3階 大会議室(314))

司会:桑谷 立(海洋研究開発機構)、木崎 彰久(秋田大学)

09:20 〜 09:35

[3K0701-08-02] 数値シミュレーションによる浅熱水性鉱脈の形成プロセス解明へのアプローチ(発表者:修士課程)

○冨田 昇平1、小池 克明1、高橋 洋2、義山 弘男3 (1. 京都大学、2. 伊藤忠鉱物資源開発株式会社、3. 西日本技術開発株式会社)

キーワード:鉱物沈殿メカニズム、浅熱水性鉱床、TOUGH2、数値シミュレーション、沸騰

浅熱水性鉱床は最も重要な金属鉱床タイプの一つである。浅熱水性鉱床での鉱物沈殿メカニズムとして,熱水の冷却・混合・沸騰などが指摘されている。Takahashi(2017)は,浅熱水性鉱脈型鉱床である宮城県の細倉鉛-亜鉛鉱床の変質鉱物の定量分析により,熱水の冷却と沸騰の相反する現象が一連の流れで進行することによって鉱物が沈殿することを示し,これらの鉱物沈殿メカニズムを浅部帯水層の冷水が誘発する「冷水トラップ」と称した。冷水トラップにおける熱水環境の変化は岩石の浸透率などの物性値の変化に起因すると考えられるが,このメカニズムを定量的に検証した例はない。そこで本研究では,浅熱水性鉱床の形成を定量的に再現し,冷水トラップのメカニズムを検証することを目的とした。そのために,細倉鉱床をケーススタディに選び, 気液二相流と熱の3次元流動解析ソフトTOUGH2を用いて数値シミュレーションを実施した。その結果,はじめ上昇熱水は浅部の冷水で冷却するが、熱水変質の進行に伴って形成される難透水性の変質帯キャップロックの遮水・保温効果に起因して鉱脈内で沸騰が生じた。これにより,冷水トラップが変質帯と鉱脈を形成・発達させる重要な要因となることがわかった。

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