資源・素材2019(京都)

講演情報(2019年8月9日付 確定版)

企画講演

資源探査に関する研究の動向と大規模データプロセッシング

2019年9月26日(木) 09:00 〜 11:35 第7会場 (C1 3階 大会議室(314))

司会:桑谷 立(海洋研究開発機構)、木崎 彰久(秋田大学)

09:35 〜 09:50

[3K0701-08-03] 熱水噴出域における海底下金属濃度の深層学習による3次元分布推定への拡張

○小池 克明1、Ribeiro de Sá Vitor1、余野 央行2、植木 俊明2、野崎 達生3、高谷 雄太郎4、山崎 徹5 (1. 京都大学、2. (株)海洋先端技術研究所、3. 海洋研究開発機構、4. 早稲田大学、5. 産業技術総合研究所)

キーワード:ニューラルネットワーク、地球統計学、海底熱水鉱床、金属濃度、伊是名海穴域

海底金属資源の有望域の特定,鉱床モデリング,鉱量評価はますます重要な課題となっているが,陸域の資源調査に比べて海底の掘削データの本数は格段に少なく,掘削深度も浅いので,少ない情報量からこれらを高精度で実現化することは困難である.そこで,本研究では人工知能の一種であるニューラルネットワーク(以下ANN)を用いて,Cu,Pb,Zn,Ag等の金属濃度を広域的に推定することを試みた.対象地域は沖縄トラフに位置し,熱水噴出が点在する伊是名海穴域であり,ここで6本のボーリングが実施され,試料のICP-MS分析によって金属濃度データが得られている.ANNの深層学習にバリオグラムを考慮したニューラル・クリギング(NK:Koike et al., 2001)を適用したところ,掘削地点がほぼ東西方向に線状に分布するという局在化した条件でも,東西1400 m・南北1000 m・海底下約400 mまで金属濃度分布を3次元的に推定できた.推定結果には断層に起因した線状構造が,水平断面図に明瞭に現れた.また,硫化物マウンド下の深部に相対的な高濃度が鉛直方向に連続するのが見られ,これは深部から硫化物マウンドに向かって上昇する熱水に起因した特徴であるとも考えられる.すなわち,海底下300 m程度の深度で一度金属の沈殿が生じ,その残液によって海底下100 mの浅部で主要鉱床が形成されるというメカニズムである.このような特徴を明らかにできたこともNKの成果である.

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