一般社団法人資源・素材学会 2020年度春季大会

講演情報(2020年1月24日付 確定版)

企画講演

海底・海底下の資源開発と空間利用の可能性追求

2020年3月16日(月) 09:00 〜 12:00 第1会場 (6号館 1階 612講義室)

司会:山崎 哲生(大阪府立大学)

10:05 〜 10:35

[2K61201-05-03] システムズアプローチによるメタンハイドレート商業生産システムの検討

○今野 義浩1 (1. 東京大学)

キーワード:ガスハイドレート、システムアーキテクチャ、ガス生産、大水深

海洋に存在するメタンハイドレートは、その賦存量の大きさと低い地域偏在性から、次世代の天然ガス資源として期待されており、日本を始め、アメリカ、欧州、中国、インドなどで研究開発が進められている。日本は、東部南海トラフにて、2013年に世界初の海洋産出試験、2017年に第2回海洋産出試験を実施した。また、中国は、2017年に日本に次いで2か国目となる海洋産出試験を南シナ海で実施した。これらの産出試験を通じて、海洋メタンハイドレートからのガス生産の可能性が示されたが、安定性の確保と生産性の向上など、克服しなければならない課題も明らかになっている。メタンハイドレートの生産システムは、商業化がなされていない現状において実在しない未知のシステムである。今後、資源工学のみならず、海洋工学など他の工学の知見も取り入れ、さらには、社会科学的な視点も考慮しながら、有望なコンセプトを見出していくことが求められる。本講演では、宇宙開発におけるシステムの選択において取り入れられている“システムズアプローチ”と呼ばれる手法を用いたメタンハイドレート生産システムの検討例を示しながら、商業化の在り方について提言する。

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