資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

若手・一般ポスター発表(ショート講演)

ポスター発表ショート講演(鉱物処理/リサイクル) [9/11(水) PM 第3会場]

2024年9月11日(水) 13:40 〜 14:56 第3会場 (一般教育2号館 1F 103) (一般教育2号館 1F 103)

司会:高谷 雄太郎(東京大学)

14:12 〜 14:16

[2309-27-09] 廃LIB酸処理溶液の膜処理に伴うリチウムと他元素の共沈現象

○鳥海 渓1[修士課程]、高谷 雄太郎1、峯岸 進一2、青山 滋3、宮本 竜馬2、所 千晴4,1 (1. 東京大学、2. 東レ株式会社、3. 東麗先端材料研究開発(中国)有限公司(TARC)、4. 早稲田大学)

司会:高谷 雄太郎(東京大学)

キーワード:リチウム、ナノ濾過、膜、酸浸出

近年リチウムはリチウムイオン電池 (LIB) に不可欠な元素として需要が増加している。廃LIBのリサイクルプロセスでは、ナノ濾過膜 (NF膜) を利用することで酸浸出液からリチウムを選択的に回収可能である。しかし、NF膜分離においては酸浸出液中のイオン種によって透過性が異なるためNF膜への供給液に対して、膜の透過側と非透過側でpHや各種元素濃度が変動する。そのため、特に多価イオン濃度が高い非透過液側では沈殿が発生し膜の閉塞や有価元素の損失が生じる可能性がある。そこで、膜分離によるリチウム選択回収の安定的な運用に対しては、沈殿の発生条件と沈殿物の組成を把握することが重要である。本研究では、廃LIBの酸浸出液をNaOH溶液で中和し、各種元素の沈殿率の分析と沈殿物の内容物の結晶相同定を行った。その結果、特に多量のアルミニウムを含む酸浸出液では、中和により低pHでも即座に沈殿が発生し、特に酸性領域で沈殿しないと考えられるリチウムも40%程度が沈殿した。そこで本研究では、模擬溶液の中和試験によりアルミニウムと硫酸、リチウムの共沈現象を再現し、この現象を抑制するための対策を検討した。