資源・素材2024(秋田)

講演情報(2024年8月7日付 確定版)

一般講演

【一般講演】 リサイクル [9/12(木) AM 第4会場]

2024年9月12日(木) 09:00 〜 12:00 第4会場 (一般教育2号館 2F 203) (一般教育2号館 2F 203)

司会:林 直人(産業総合技術研究所)、小山 恵史(九州大学)

●リサイクル:資源・素材のリサイクルに関して、選別方法,素材プロセッシング,社会システムの個別課題への対応および分野横断的な議論を行う。

<発表時間20分中、講演15分、質疑応答5分/1件>

09:20 〜 09:40

[3401-08-02] 空気分級を用いた電気炉系スラグに含まれるCr濃度の低減化

○小出 昌美1,2、小山 恵史3、髙谷 雄太郎4,2、所 千晴2,4 (1. 共英製鋼株式会社、2. 早稲田大学、3. 九州大学、4. 東京大学)

司会:林 直人(産業総合技術研究所)

キーワード:電気炉系スラグ、Cr低減、空気分級、比重選別

電気炉系スラグは鉄スクラップを電気炉で溶融・精錬する過程で生成される副産物である。再生資源として利用されているが、その用途は主に路盤材や土木資材に限られており、より高度なマテリアルリサイクルが求められている。主成分の一つであるCa成分を生かしたセメント原料への利用を想定した場合、電気炉系スラグ中のCrがセメント製造工程で六価Crに変化する懸念があるため、事前にCrを分離することが重要である。本研究では、粒子径および比重の差を利用した空気分級による電気炉系スラグからのCr低減化を試みた。還元精錬工程で生成される還元スラグ試料を対象にエルボージェット分級機による分級実験を行った。得られた分級物におけるCr濃度は粗粉側で高い値を示した一方で、セメントの主成分であるCaの濃度は微粉側で高い値を示す傾向が確認された。還元スラグは生成後の冷却時に粉体化することから、この過程で鉱物相の単体分離が促進され、CrがCaと異なる分級挙動を示したと推察された。このことはセメント原料化に向けた処理プロセスを検討する上で好都合であり、同分級装置の利用可能性が示された。