[S-49-2] 認知症、筋萎縮性側索硬化症と微量元素
鉄、銅、亜鉛などの金属元素は、生体内において、ごく微量しか存在しないものの、その吸収・輸送・活用といった生体内動態は、適正に制御されており、その破綻は疾病の原因となる。脳の神経細胞・グリア細胞などにおいても、これらの機能維持に関わる生命金属はタンパク質・酵素の構造や機能の維持、細胞内外の恒常性の維持などに極めて重要で、その破綻は神経細胞死や老化の原因につながる。しかし、生命金属が生命機能に果たす役割があまりに重要、広範であるがゆえに、分子レベルでの解明が立ち遅れていた。近年、分子生物学的手法、特異的金属プローブの開発、トランスミッターの解明が急速に進んだ。これまで研究成果をreviewし、今後の展開を解説することで、脳内の生命金属の役割、重要性がわかりやすく理解でき、病態解明が進み、創薬開発への新たな道が開ける。学会が金属イオンと神経疾患との関連性に注目し続けることに大きな意義がある。
1992年3月 大阪大学医学部医学科卒業
1992年6月 大阪大学医学部附属病院研修医
1993年6月 関西労災病院神経内科医員
1995年9月 大阪厚生年金病院神経内科医員
2000年3月 大阪大学大学院医学系研究科博士課程修了
2000年6月 大阪大学医学部附属病院神経内科医員
2001年6月 米国マサチューセッツ総合病院/ハーバード大学研究員
2003年5月 大阪大学大学院医学系研究科神経内科学助手
2007年4月 大阪大学大学院医学系研究科神経内科学助教
2010年7月 国立精神・神経医療研究センター神経研究所疾病研究第五部室長
2016年6月 大阪大学大学院医学系研究科神経内科学講師
2018年1月 大阪大学大学院医学系研究科神経内科学准教授
抄録パスワード認証
パスワードは抄録集に記載してあります。