第62回日本神経学会学術大会

セッション情報

シンポジウム

[S-01] シンポジウム01 多発性硬化症:再発によらない進行への理解を深める

2021年5月19日(水) 09:50 〜 11:50 第3会場 (国立京都国際会館 1F Annex Hall 2(別館))

座長:近藤誉之(関西医科大学附属総合医療センター神経内科)

多発性硬化症(MS)は再発による障害の集積だけでなく、再発によらない障害の進行を伴う疾患である。多くは再発寛解型として発症し、その一部が二次進行型に進展する。しかし、実際の臨床の場で、再発寛解期から進行期への以降を判断することは困難である。一方、同一患者においても、再発寛解期と進行期における免疫病態には相違点がある。事実、MS疾患修飾薬(DMD)は進行期に移行後には有効性が証明できない状況が続いていた。再発寛解型においても、DMDの有効性は再発回数やMRI病変の出現の抑制によって評価され、再発によらない障害(silent progression)への評価は十分にされていない。現在、B細胞標的薬やsipinimodなどのDMDは一部の進行型MSへの有効性が期待されている。本シンポジウムでは、進行型MSへの定義、再発によらない進行の背景となる免疫病態、治療に関しての知見を紹介し、議論したい。