○永井 義隆1,2 (1.近畿大学医学部 脳神経内科, 2.大阪大学大学院医学系研究科 神経難病認知症探索治療学)
セッション情報
シンポジウム
[S-12] シンポジウム12 液-液相分離の新展開
2021年5月19日(水) 14:15 〜 16:15 第10会場 (国立京都国際会館 1F スワン)
座長:大会長校事務局
本シンポジウムでは、特に筋萎縮性側索硬化症や前頭側頭葉変性症(ALS/FTLD)において注目されている非膜性オルガネラ(membraneless organelle; MLO)形成の根底となる蛋白質、RNAなどの液-液相分離(liquid–liquid phase separation; LLPS)に着目して、最新の知見を紹介する。TDP-43やFUSなどのRNA結合蛋白質はLLPSにより重合してMLOを形成する一方で、ALS/FTLD病態では凝集体として細胞質に蓄積する。LLPSによる蛋白質重合は、タウ、ポリグルタミンなど他の疾患関連蛋白質でも認められ、さらに最近生理的な蛋白質分解機構に関与することも明らかになった。以上のことから、蛋白質、RNAなどの恒常性維持におけるLLPSの制御機構を解明することで、ALS/FTLDをはじめとする神経変性疾患の新たな治療戦略を切り拓くことが期待される。
○須貝 章弘 (新潟大学脳研究所 分子神経疾患解析学分野)
○森 英一朗1, 杉江 和馬2 (1.奈良県立医科大学 未来基礎医学, 2.奈良県立医科大学 脳神経内科学)
○佐伯 泰 (東京都医学総合研究所 基礎医科学研究分野 蛋白質代謝プロジェクト)
○渡邊 征爾, 稲見 英和, 大岩 康太郎, 酒井 昭平, 山中 宏二 (名古屋大学環境医学研究所 病態神経科学分野)