第62回日本神経学会学術大会

セッション情報

シンポジウム

[S-14] シンポジウム14 本態性振戦の臨床

2021年5月20日(木) 08:00 〜 09:30 第6会場 (国立京都国際会館 2F Room B-2)

座長:上利 崇(東京都立神経病院 脳神経外科),古和 久典(国立病院機構松江医療センター脳神経内科)

後援:日本定位・機能神経外科学会

ふるえは,脳神経内科を受診する患者の主訴でも多いもののひとつである.なかでも本態性振戦の有病率は一般人口の数%とされ,加齢と共に有病率は上昇し,高齢者ではしばしばみられるものである.にも拘らず,これまで神経学会のシンポジウム等では,ほとんど扱われたことがなかった.これは一つには,治療が限られており,その効果も限界があるためと考えられる.
しかし,ここへ来て,2018年にMDS(International Parkinson and Movement Disorder Society)から新たな振戦の分類が発表され,2019年には,やはりMDSから,本態性振戦に対する治療(外科的治療を含め)のReviewが報告されている.さらに2019年6月には,わが国において本態性振戦に対するMRガイド下集束超音波治療(MRgFUS)が保険適用となっている.本態性振戦に対する治療は,これまでの内服治療に加え,DBSを始めとした定位脳手術,さらにはMRgFUSと選択肢が増え,我々脳神経内科医は,それぞれの治療の特徴,短所等を熟知しておかなければならない.