日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

ポスター発表

[PG01] ポスター発表(一般A:コアタイム1)

2024年3月29日(金) 11:30 〜 12:30 桜(一般) (桜)

[PG01-43] フェロモントラップの粘着板捕獲虫を識別・計数するAI

◯岩田 大介1、髙橋 和大1 (1. 新潟農総研作物研)

近年フェロモントラップの捕獲虫をIoTカメラで撮影し画像を送信する装置が開発されている。フェロモントラップの粘着板を撮影した画像から対象虫を識別・計数するAIを作成した。トラップ及び撮影装置については,SEトラップの屋根部分を透明な部材に変更し,透明な屋根越しに粘着板を撮影する広視野角のUSBカメラを取りつけた天面,焦点距離を確保するための側面で構成し,シングルボードコンピューターで撮影を制御した。このトラップを用いてハスモンヨトウを対象に,2023年6月14日~7月19日に撮影した33枚を学習用,2023年7月21日~9月1日に撮影した41枚を検証用の画像として,Ultralytics YOLOv8(https://github.com/ultralytics/ultralytics) を用いて対象虫を識別・計数するAIを作成し,その精度を検証した。検証用画像の実際の捕獲数とAIによる識別・計数結果の相関係数は0.92であった。ただし実際の捕獲数が40頭を超えたあたりから,AIによる計数結果が実際の捕獲数よりも少なくなり,AIの識別・計数精度が低下した。また,オオタバコガを対象に作成したAIも同様の傾向で,粘着板の捕獲数が多くなると識別・計数精度が低下した。