日本昆虫学会第84回大会・第68回日本応用動物昆虫学会大会 合同大会

講演情報

小集会

[W01] 遺伝子機能アノテーション:昆虫データ解析に今必要なこと

2024年3月29日(金) 18:30 〜 20:00 A会場 (橘)

世話人:横井翔

19:00 〜 19:30

[W01-02] PacBio HiFiリードシーケンスによるキンウワバトビコバチのゲノム解読と機能アノテーション

◯栂 浩平1,2、田村 啓太1、坊農 秀雅1,2 (1. 広大・ゲノム編集イノベーションセンター、2. 広大・統合生命)

近年のロングリードシーケンス法の台頭により,連続性の高い昆虫ゲノムの解読が進んでいる.特に,エラーの少ない高精度のゲノムアセンブリを構築できるPacBio HiFiリードは,様々な昆虫種に適用されつつある.申請者らは,キンウワバトビコバチにおいてHiFiリード法を適用し,連続性の高いゲノム配列を決定した(552.7Mb, N50: 17.9Mb)(参照:https://doi.org/10.1101/2023.09.24.559078).BRAKERによる遺伝子予測では,ゲノム上には10786のタンパク質をコードする遺伝子の存在が確認された.この遺伝子モデルに対し,昆虫の機能アノテーションワークフロー(Fanflow4Insects)を適用すると,98%の遺伝子に他種との配列類似性またはドメイン構造の存在を確認でき,充実した機能アノテーションが得られた.本発表では,上記のゲノム解読から遺伝子予測・機能アノテーションの手法と実際について,詳しく紹介したい.