Tetsuya Kashihara (The Ministry of Edcucation, Culture, Sports, Science, and Technology, Tokyo, Japan)
Session information
Symposium
[SY11] Symposium 11
To Provide Support System for School Life of Children Who Need Medical Care for Everyday Life.
Fri. Jun 1, 2018 10:10 AM - 12:10 PM Room 1 (Convention Hall B)
Chair:Hirotoshi Maeda(Medical Incorporated Foundation Harutaka kai), Hiroshi Ozawa(Shimada Ryoiku Center Hachioji)
【企画・趣旨のねらい】
2016年5月24日の通常国会で,人工呼吸器などの医療を日常的に必要とする状態を新たな「障害」として定義し,その支援が必要とした法律が成立した.この法律は,わが国の小児医療にとって極めて重要である.以下に,法案の全文を記載する.
「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律及び児童福祉法の一部を改正する法律」
第五十六条の六第二項
「地方公共団体は,人工呼吸器を装着している障害児その他の日常生活を営むために医療を要する状態にある障害児が,その心身の状況に応じた適切な保健,医療,福祉その他の関連分野の支援を受けられるよう,保健,医療,福祉その他の各関連分野の支援を行う機関との連絡調整を行うための体制の整備に関し,必要な措置を講じるよう努めなければならない.」
なぜ,この法律が重要なのか,この法律までは,わが国の「障害」の概念に「日常的に医療が必要」というものが無く,「障害」は,「知的」「身体」「精神」の三つであった.従って,歩けて,話せて,知的に正常な子どもは,たとえ人工呼吸器を装着していても,「障害が無い」ことになってしまっていたのだ.
現在,常に医療が必要な子どもと大人は,「医療的ケア児者」と呼ばれているが,「医療的ケア児者」には未だ医学的にも,法制度的にも正確な定義はない.
医療的ケア児者は急速に増えつつあるが,特に学校における医療的ケアの実施がクローズアップされている.病院で生まれた「医療的ケア児者」が地域移行するに伴い,家庭や地域で様々な医療的ケアが実施されるようになってきた.家庭や地域は,在宅医療のフィールドとして,制度や仕組みが整備されており,社会資源も十分ではないが整備が進んでいる.しかし,学校は,教育の場として,生活の場である地域,家庭と一線を引かれてきたが,そこでも,医療が24時間必要な子どもが増加し,教育と医療が常に連携しなければならない事態が広がりつつある.具体的には,人工呼吸器を必要とする子どもの通学が地域によって困難なことや,医療的ケア児に家族の付き添いが求められること,通学の手段が保障されず,多くの医療的ケア児の親が単独で自動車で送迎していることなどがある.このような事態に対し,教育と医療が連携し,医療的ケア児の教育をどのように支えていくのか,それを様々な角度から議論したい.
Nobuyuki Tazoe (Tokyo Metropolitan Kodaira School for the Physically Disabled,Tokyo, Japan)
Nobuhiko Horioka (Ministry of Health, Labor and Welfare Health Policy Bureau)
Masanori Tamura (Department of Pediatrics,Saitama Medical Center, Saitama Medical University,Kawagoe,Japan)
Yoko Ueda (Toyonaka City Board of Education Secretariat Child Student Division Support Education Section)
Satoshi Takada (Kobe City Pediatric and General Rehabilitation Center for the Challenged, Kobe, Japan)