新井田要 (金沢医科大学病院ゲノム医療センター)
セッション情報
シンポジウム
[SY15] シンポジウム15
結節性硬化症の診療:最新の情報
2018年6月1日(金) 13:30 〜 15:10 第2会場 (国際会議室)
座長:久保田雅也(国立成育医療研究センター神経内科)、水口雅(東京大学大学院医学系研究科発達医科学)
【企画・趣旨のねらい】
結節性硬化症(TSC)はさまざまな臓器に病変や症状を生じうる全身疾患である.その反面,TSCは神経疾患としての側面が大きく,てんかん,知的障害,自閉症その他の神経精神障害(TAND)など神経症状を主訴として小児神経専門医を受診する患者が多い.TSCの治療は従来,個別の臓器の病変や症状に対する対症療法のみであった.しかし近年,TSCに合併する脳腫瘍(SEGA),腎腫瘍(AML),肺腫瘍(LAM)に対してmTOR阻害薬を用いた薬物療法が広く行われるようになり,これが全身の複数の病変,症状を改善しうることから,結節性硬化症の治療体系は大きく変化しつつある.日本でも最近,TSCに伴うSEGAやAMLの診療ガイドラインが策定された.結節性硬化症の神経症状のうち,てんかんや自閉症,TANDを改善する効果がmTOR阻害薬にあることもわかってきて,現在,基礎研究と臨床研究が進められている.一方では,抗てんかん薬や外科手術によるてんかんの治療も着実に進歩しており,成績が向上してきている.本シンポジウムでは,TSCの神経症状に対する治療の最新の進歩について概観することとした.またTSC患者の全身を一生にわたって診る診療科連携,トランジションの体制も国内各地で整備されつつあるので,トランジションについて議論する機会を設けた.
岡西徹1、藤本礼尚2 (聖隷浜松病院てんかんセンター小児神経科1、聖隷浜松病院てんかんセンターてんかん科2)
川合謙介 (自治医科大学医学部脳神経外科)
佐藤敦志 (東京大学医学部附属病院小児科)
吉永治美1、遠藤文香2 (国立病院機構南岡山医療センター重症心身障害児センター1、岡山大学病院小児神経科2)