Russell C. Dale (Paediatric Neurology, the Children's Hospital at Westmead, University of Sydney, Australia)
セッション情報
シンポジウム
[SY16] シンポジウム16
神経炎症と小児精神神経疾患
2018年6月1日(金) 13:30 〜 15:30 第5会場 (3F 302)
座長:Russell C. Dale(Paediatric Neurology, the Children’s Hospital at Westmead, University of Sydney, Australia)、佐久間啓(東京都医学総合研究所脳発達・神経再生研究分野)
【企画・趣旨のねらい】
中枢神経系の炎症に対して「神経炎症」という用語がしばしば用いられるようになっています.神経炎症はこれまで主に脳炎・髄膜炎などの感染症や多発性硬化症などの自己免疫疾患を中心に研究が行われてきましたが,最近になり脳血管障害やAlzheimer病をはじめとする神経変性疾患の病態にも神経炎症が深く関わっていることが明らかになりつつあります.炎症は病原体や自己抗原に対してのみならず,組織内での環境の変化や細胞死など多様な生体のイベントに対して引き起こされます.このことは神経炎症がこれまで考えられていたよりもはるかに多くの神経疾患で,より普遍的に生じていることを示唆しており,それは小児の神経疾患においても例外ではないと推測されます.そこで従来の炎症性・免疫性神経疾患という枠組みにとらわれず,様々な(おそらくほとんど全ての)神経疾患において神経炎症がどのように病態の一翼を担っているかを議論し,理解するのが本シンポジウムのねらいです.さらに精神症状を呈する疾患も取り上げて,炎症が「心」を制御するメカニズムについても考えてみたいと思います.
福田光成 (愛媛県立新居浜病院小児科、愛媛大学大学院医学系研究科小児科学)
山中 岳 (東京医科大学小児科)
西田裕哉 (東京都立神経病院神経小児科)