第60回日本小児神経学会学術集会

セッション情報

シンポジウム

[SY22] シンポジウム22
小児神経科医師に必要な頭部外傷の知識 虐待の視点から

2018年6月2日(土) 10:30 〜 12:10 第1会場 (コンベンションホールB)

座長:柳川敏彦(和歌山県立医科大学)、小川厚(福岡大学筑紫病院)

【企画・趣旨のねらい】
 小児の頭部外傷のケースで,虐待かどうかについての判断は非常に重要で,小児神経の立場から専門的な意見を求められることもある.しかし頭部外傷の児を診療して,意図的な外傷なのかどうかについての判断にはかなりの専門性が求められる.特に我が国では,乳児の硬膜下血腫の中村の1型と分類される,軽微な機転による頭蓋内出血という概念があり,虐待の鑑別を難しくしている.虐待の診療は医療と同時並行して,行政や警察との折衝など社会的な対応を求められ,医師としての高いスキルが求められる.
 本学会会員はすでに虐待対応の経験があると思われるので,今回は虐待の一般論などではなく,虐待による頭部外傷をできるだけ科学的・客観的な観点から診療を行っていくための知識を共有ができればと考える.
 神経放射線,脳神経外科,小児神経科の3名のシンポジストの先生に,それぞれの立場から講演をお願いをして,立場を越えて共通の理解ができればと考える.