15:25 〜 15:35
[O-15-2] 理学療法士養成校における災害支援の教育について -講義前後のアンケート調査から-
キーワード:災害時の理学療法、学生教育
【背景と目的】我が国は地震や水害など自然災害が多く、毎年のように高齢者や障害者が避難生活を送っている。また、首都直下地震や南海トラフ巨大地震のような大規模災害が発生すると多くの高齢者や障害者の生活機能低下が起こり、それを原因とした生活不活発病や災害関連死の発生が予想される。そのため、生活機能に直接アプローチできるリハビリテーション専門職の災害時の役割は重要である。しかし、リハビリテーション専門職による本格的な災害支援活動が行われるようになったのは東日本大震災以降であり、平時に理学療法士としてそれに接することが少ない。また、理学療法学モデル・コア・カリキュラムの地域理学療法学に災害時の理学療法が含まれ、基礎教育の一部に位置付けられているものの、実際にはその内容はあまり知られていない。つまり、卒前および卒後も災害時の理学療法について学ぶ機会が少ないと言える。今回、理学療法士養成校で災害時の理学療法の講義を受け持つ機会があり、その講義を受講した学生に対するアンケートで受講前後での災害支援への興味や理解の変化を確認したことで、その学生教育の必要性を感じたため報告する。
【方法】2021年度のA専門学校理学療法士養成課程4年生対して感染対策を十分にとった上で、対面にて180分間の講義を行った。講義は大規模災害時における支援活動の概要と災害時の理学療法士の役割について演習を交えて解説した。講義の前後で「災害支援に興味がありますか?」、「リハビリテーション専門職の行う災害支援内容について知っていますか?」、「将来災害支援に参加しようと思いますか?」の質問を選択回答形式で無記名によるアンケートを行い、その回答結果の割合を確認した。
【結果】講義を受けた学生数は23名でアンケートの有効回答者数は講義前22名、講義後19名だった。「災害支援に興味がありますか?」の質問には「興味がある」が講義前は72.7%で講義後は84.2%、「リハビリテーション専門職の行う災害支援内容について知っていますか?」の質問には「知っている」が講義前は22.7%で講義後は94.7%、「将来災害支援に参加しようと思いますか?」の質問には「参加しようと思う」が講義前は45.5%で講義後は73.7%という結果であった。
【結論】今回のアンケート結果から講義前から災害支援に興味を持つ学生が多いものの、災害時のリハビリテーション専門職の活動内容を知らないこと、そして、講義後はほとんどの学生がそれを知っていると自己評価したことがわかった。また、講義を受けて災害支援に参加しようと思う者が大幅に増えた。単一の学校で規模も小さく、講義直後のアンケート調査だったが、180分間の学生への講義が災害支援活動参加の動機づけになり、多くの理学療法士が災害時に活動を行うための一助となる可能性が高いと思われた。
【方法】2021年度のA専門学校理学療法士養成課程4年生対して感染対策を十分にとった上で、対面にて180分間の講義を行った。講義は大規模災害時における支援活動の概要と災害時の理学療法士の役割について演習を交えて解説した。講義の前後で「災害支援に興味がありますか?」、「リハビリテーション専門職の行う災害支援内容について知っていますか?」、「将来災害支援に参加しようと思いますか?」の質問を選択回答形式で無記名によるアンケートを行い、その回答結果の割合を確認した。
【結果】講義を受けた学生数は23名でアンケートの有効回答者数は講義前22名、講義後19名だった。「災害支援に興味がありますか?」の質問には「興味がある」が講義前は72.7%で講義後は84.2%、「リハビリテーション専門職の行う災害支援内容について知っていますか?」の質問には「知っている」が講義前は22.7%で講義後は94.7%、「将来災害支援に参加しようと思いますか?」の質問には「参加しようと思う」が講義前は45.5%で講義後は73.7%という結果であった。
【結論】今回のアンケート結果から講義前から災害支援に興味を持つ学生が多いものの、災害時のリハビリテーション専門職の活動内容を知らないこと、そして、講義後はほとんどの学生がそれを知っていると自己評価したことがわかった。また、講義を受けて災害支援に参加しようと思う者が大幅に増えた。単一の学校で規模も小さく、講義直後のアンケート調査だったが、180分間の学生への講義が災害支援活動参加の動機づけになり、多くの理学療法士が災害時に活動を行うための一助となる可能性が高いと思われた。