趣旨説明:荒川 大(金沢大院医薬保) (09:00 〜 09:05)
セッション情報
一般シンポジウム
[S40] 薬物誘発腎毒性の予測を目指した動態・安全性評価の最新研究
2023年3月27日(月) 09:00 〜 11:00 [G2会場] 学術交流会館 小講堂 (1F)
オーガナイザー:荒川 大(金沢大院薬)、石黒 直樹(日本ベーリンガーインゲルハイム)
薬物誘発性腎障害は医療で観察される急性腎障害の約1/4を占め、その発症は薬物投与計画、さらには患者の予後に影響を与える可能性がある。医薬品開発ではそのリスクを評価するため、前臨床研究において主に実験動物を用いた解析がなされているものの、その予測性が低く、薬物治療の現場や医薬品開発試験において初めて観察されることが多い。この予測性が低い原因として、薬物誘発性腎障害の発症には薬物トランスポーターや薬物代謝酵素を介した腎臓への分布制御と、薬物作用や低酸素などに対する腎臓の生理応答が関わり、これらの過程のヒトと実験動物との種差が考えられる。一方、従来用いられている初代培養や不死化細胞株はこれら薬物動態の制御タンパク質をほとんど発現しておらず、また腎臓の生理応答性が低い。そのため有用なin vitro評価系の樹立と、さらにin vitro系から得られた知見を臨床へ外挿するバイオマーカーの確立が課題となっている。本シンポジウムでは腎臓での薬物動態および薬物誘発性腎障害評価における課題を製薬企業の立場から提起し、さらにその解決手法として、近年樹立された腎生理応答を可能とするヒト近位尿細管上皮細胞の三次元培養系や薬物性腎障害の慢性化病態への進展に関わるバイオマーカーの研究を紹介し、今後どのように医薬品の研究開発へ応用していくかについて議論を深める。
09:05 〜 09:27
○石黒 直樹1、齋藤 麻美1、森永 学1、髙谷 真仁1、髙橋 亮1、工藤 喬1、松井 明子1、片山 拓馬1 (1. 日本ベーリンガーインゲルハイム(株))
09:27 〜 09:49
○高橋 越史1、北川 文彦1、近藤 昌幸1、神保 陽一1 (1. 日機装)
09:49 〜 10:11
○荒川 大1、樋口 大智1、玉井 郁巳1 (1. 金沢大院医薬保)
10:11 〜 10:32
○横関 樹1、中野 正隆1,2、深見 達基1,2、中島 美紀1,2 (1. 金沢大院医薬保、2. 金沢大ナノ生命科学研)
10:32 〜 10:55
○松下 幸平1 (1. 国立衛研病理部)
総括:石黒 直樹(日本ベーリンガーインゲルハイム(株)) (10:55 〜 11:00)