[P-145-A] 患者の認知機能低下への「気づき」と多職種連携
【目的】薬の自己管理が困難な患者が増える高齢化社会において、薬局薬剤師には外来服薬支援等の直接的な介入とともに、必要に応じて多職種連携を図る「在宅医療への繋ぎ手」として地域医療に貢献することが求められる。本研究では、薬局薬剤師が外来服薬支援をきっかけに患者の認知機能低下に「気づき」、在宅医療への移行に向けて積極的な多職種連携を図った当薬局での事例から、薬局薬剤師の果たすべき役割について考察した。
【事例】80歳代の独居女性。複数の診療科に受診しており、以前より一包化調剤をしていた。来局時のかかりつけ薬剤師による服薬指導時に、服用忘れが多いことを聴取したため、残薬の持参を提案し、ブラウンバックを渡した。その後、来局時に残薬を持参することが3か月間続いたため、薬局薬剤師は患者本人による薬の管理が難しいと判断した。さらに1か月後の経過観察の後、医療機関に患者状況を報告して在宅移行を提案した。医療機関から連絡を受けた地域包括支援センターの担当者と共に患者の状況を把握し、情報共有した。情報共有の3か月後、患者宅でケアマネージャー、患者家族、薬局薬剤師で在宅開始に向けた今後の方針を話し合い、当薬局が週1回の薬の配達と訪問を、訪問介護員が毎日朝・夕の訪問を担当することとなった。薬局薬剤師がこれらの訪問タイミングに合わせた用法を医師に提案したことで、服薬コンプライアンスが改善した。
【考察】本事例のように、薬局薬剤師は外来服薬支援等の継続的な服薬管理を行うことはもちろん、患者の状況を確認することで認知機能低下に「気づく」ことが重要と考える。また、「気づき」に基づく医師への提案など、積極的な「在宅医療への繋ぎ」を行ったことが、服薬コンプライアンスの改善に繋がったと考えられる。今後も患者からの「気づき」を多職種連携等に「繋ぐ」ことを通じて、患者の身近な医療の担い手として地域医療に貢献していきたい。
【事例】80歳代の独居女性。複数の診療科に受診しており、以前より一包化調剤をしていた。来局時のかかりつけ薬剤師による服薬指導時に、服用忘れが多いことを聴取したため、残薬の持参を提案し、ブラウンバックを渡した。その後、来局時に残薬を持参することが3か月間続いたため、薬局薬剤師は患者本人による薬の管理が難しいと判断した。さらに1か月後の経過観察の後、医療機関に患者状況を報告して在宅移行を提案した。医療機関から連絡を受けた地域包括支援センターの担当者と共に患者の状況を把握し、情報共有した。情報共有の3か月後、患者宅でケアマネージャー、患者家族、薬局薬剤師で在宅開始に向けた今後の方針を話し合い、当薬局が週1回の薬の配達と訪問を、訪問介護員が毎日朝・夕の訪問を担当することとなった。薬局薬剤師がこれらの訪問タイミングに合わせた用法を医師に提案したことで、服薬コンプライアンスが改善した。
【考察】本事例のように、薬局薬剤師は外来服薬支援等の継続的な服薬管理を行うことはもちろん、患者の状況を確認することで認知機能低下に「気づく」ことが重要と考える。また、「気づき」に基づく医師への提案など、積極的な「在宅医療への繋ぎ」を行ったことが、服薬コンプライアンスの改善に繋がったと考えられる。今後も患者からの「気づき」を多職種連携等に「繋ぐ」ことを通じて、患者の身近な医療の担い手として地域医療に貢献していきたい。