第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Aグループ

2022年11月6日(日) 13:10 〜 14:00 ポスター会場1~3 (4階 405+406/409+410/413+414)

[P-151-A] 臨床現場から見たセマグルチド錠の副作用発現頻度とHbA1c推移についての分析

五明 孝太1, 安田 光2, 巽 清3 (1.サン薬局天理本通店, 2.サン薬局紀寺店, 3.サン薬局木津店)

【目的】
2020年11月に国内初の内服GLP-1作動薬セマグルチド(遺伝子組み換え)錠が発売され、糖尿病治療の選択肢が1つ増える事になった。臨床現場においてセマグルチド錠の服用規格の違いによるHbA1c値の推移や副作用の割合内訳を分析する事で今後の糖尿病薬物治療に役立てる。
【方法】
サン薬局全68店舗で2021年12月~2022年4月に新規処方された患者のうち、2回以上来局しHbA1cの推移が分かる症例を対象に、男女比や年代、規格、併用薬、副作用について薬歴より抽出し分析を行った。
【結果】
68店舗中33店舗にて合計37例確認された。男女比は男性67.6%、女性32.4%であり、年代は70代24.3%、次に50代と60代が各18.9%だった。各規格の症例数は3mg8例、7mg20例、14mg9例であり、HbA1cの平均変化量は規格毎に3mg-0.14、7mg-0.35、14mg-1.0だった。副作用発現頻度は規格毎の症例数に対し3mg40.0%、7mg47.6%、14mg55.6%だった。副作用の内訳は発現数全体で体重減少45.5%、食欲減退27.3%、悪心21.2%だった。併用中の糖尿病治療薬の内訳はBG系薬64.9%、SGLT2阻害薬59.5%、SU剤40.5%、α-GI薬21.6%、TZD薬10.8%であった。処方の切り替え先はDPP-4阻害薬が全体の60.0%と最も多く、次に新規単独処方とGLP-1注からの切り替えが各13%だった。
【考察】
結果より、規格が増加するとHbA1cの減少値は大きくなる事が確認できた。しかし副作用の発現頻度も増加することが確認された。起こりやすい副作用の中には食欲低下、悪心等患者のアドヒアランスを低下させる要因もあるので、継続的確認が必要である。また併用薬の結果よりBG系、SGLT2系はそのまま併用継続される事が多く、DPP-4阻害薬からの切り替えが1番多かった。両薬剤ともGLP-1受容体を介した作用機序のため、切り替え対象として最も多数であったと考えられるが、今後の研究次第では2剤併用の可能性も含め注視する必要がある。