第16回日本薬局学会学術総会

講演情報

シンポジウム

シンポジウム6
「ワンランクアップの在宅医療 ~ツールを用いた共通認識~」

2022年11月6日(日) 13:10 〜 14:40 第1会場 (3階 メインホール)

座長:川添 哲嗣 (徳島文理大学香川薬学部 医療薬学講座 准教授), 永冨 将寛(日本保険薬局協会 薬局機能創造委員会 副委員長)

共催:一般社団法人 全国薬剤師・在宅療養支援連絡会(J-HOP)企画

[SY6-3] 在宅緩和ケアと栄養管理における薬剤師のチェックポイント

小林 篤史 ((株) 佳林 カリン薬局 代表取締役(薬剤師))

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 在宅緩和ケアと在宅医療における栄養管理において薬剤師として何をチェックしているか。
 終末期は日々状態が変化する為、ADL に合わせた薬剤選択や副作用発現の予測が必要であり、主治医や看護師、介護スタッフと情報共有を行い療養環境に適した薬物療法を観察する事で必要である。その際、薬剤師としてのチェックポイントとして、「疼痛管理のためのオピオイド選択の原則」として以下のことが挙げられる。
 患者の鎮痛薬使用歴、疼痛の重症度、推測される疼痛メカニズムからオピオイド薬を選択はできているか。患者の年齢、代謝状態、重要臓器不全(腎、肝、肺)の存在、併存疾患の存在を考慮すること。活性代謝物の蓄積の可能性、併用薬の影響、起こり得る薬物相互作用などの薬理学的問題を考慮すること。薬剤のクラス(ex agonist antagonist など)、鎮痛薬の効果の期間、薬物動態特性を理解する。選択したオピオイドに、利用可能な投与経路(例:経口、経直腸、経皮、経粘膜、頬側、皮下、静脈内、硬膜外、髄腔内)のうちのどれが最も適切かを考える。経口投与を選択した場合は、選択したオピオイドで利用可能な様々な剤形(例:即放性、制御性放出、液体、経粘膜、口腔吸収)のうちのどれが最も適切か考えることが必要である。
 在宅緩和ケアはその方の生活に合わせたオピオイドコントロールを考えることが大切で、その方らしく最期まで生ききることが出来るように支援することが求められる。
 在宅医療における栄養管理については、薬剤師が検査値から必要エネルギー量と水分量の算出を行い、たんぱく質・アミノ酸、炭水化物、脂肪をどのように構成すれば栄養が満たされるか?を計画し栄養評価することが必要です。そこには、ビタミン、ミネラルについても検討することが求められる。高齢者に関わることの多い在宅医療では食品からの視点は重要であり薬と併用して治療を考える。輸液に関しては、高齢者に限らず小児在宅においても病態と重ねて栄養計画の立案から評価することが求められる。
 薬剤師はその方の身体的機能をチェックし今のA D L と食事が生活に与えている課題を認識しや薬との問題を考えることが必要である。また、特に終末期は食事療法の中止は、薬剤中止にも繋がることも多くあるので経過をモニタリングしていくことが必要です。また、摂食・嚥下について薬剤師が考えることも同様に必要な課題であると考える。