第17回日本薬局学会学術総会

講演情報

一般演題(ポスター)

一般演題(ポスター)Cグループ

2023年10月9日(月) 14:50 〜 15:30 ポスター会場 (2号館3階 会議室231/会議室232+233/会議室234)

[P-093-C] 保険薬局薬剤師による開局時間外の24時間相談対応の現状調査と運用面の課題

伊藤 歌那1, 堀 那月2, 山田 涼平1, 高廣 誠司3 (1.総合メディカル・ファーマシー中部(株)ハロー薬局 忠次店, 2.テラッセ納屋橋店, 3.総合メディカル・ファーマシー中部(株))

【目的】
保険薬局において開局時間外の24時間相談対応(以下、時間外対応)が求められる中、薬剤師の時間外対応についての報告はまだ少ない。今回、時間外対応の現状と薬剤師の負担感を明らかにすることを目的として、アンケート調査を行うとともに課題検討も行った。
【方法】
総合メディカル・ファーマシー中部の薬剤師を対象に調査を実施した。調査項目は、薬局経験年数、時間外応対のための待機携帯の所持の方法、2023年3月1日から3月31日までの期間における相談件数、相談内容、対応状況、時間外対応への薬剤師の考えなどとした。その後、集計結果より運用面での課題についても検討した。
【結果】
今回、薬剤師103名から回答が得られた。直近1年間で待機携帯を所持した経験のある薬剤師は 82名(80%)、うち常に所持している薬剤師は35名(34%)であった。記録に関しては、薬物治療の内容と事務的内容で記録の残し方に違いが見られ、薬物治療の内容は「薬歴に全件記録」が多かったが、事務的な内容については「必要時のみ記録」が多数であった。また、時間外対応に関して「意義はある」との回答が87%、電話対応時間は平均4.4分(1-10分)であったが、6割の薬剤師が負担と感じていた。負担感の主な要因として、「待機携帯を常時所持すること」「時間外対応時は患者情報が限られること」などの回答が多かった。
【考察】
調査の結果、時間外応対の記録方法が標準化しておらず、薬剤師によって異なることが明らかとなった。また、多くの薬剤師が時間外対応の意義は感じていたが、負担感も強いことが確認され、その主な要因についても検討することができた。今回得られた結果を基に、今後は ICTなども活用し、時間外対応情報の記録の残し方を含め、薬剤師が安全に安心して業務を行える運用の標準化に取り組んでいきたい。