[SY1-1] 地域の多職種で行う高齢者の在宅療養支援~訪問診療の現場から~
在宅医療を必要とする患者は2025年には全国で130万人になると推測されている。厚生労働省が推進してきた地域包括ケアシステム構築の目途とされた2025年は目前に迫り、地域の環境整備は仕上げの時期を迎えつつある。さまざまな介護事業者等が新たに誕生し、進化を遂げるのに伴い、医師や薬剤師も変容を迫られた20年であったと言える。在宅医療の現場では、病院医療の代替というだけでなく、医療よりも生活を重視するという視点が必要である。あるべき治療を押し付けるのではなく、それぞれの価値観や生活スタイルを把握し、治療によってQOLが下がってしまう事態をできる限り回避するよう努めなければならない。在宅医療における治療の中心は内服薬となるが、その治療を決定するにあたっては、本人の日々の身体、精神状況の変化のモニタリングが不可欠である。介護家族や介護スタッフとのコミュニケーションを活性化し、医師、薬剤師が協働してより安全でより効果の高い治療を目指すことが必要となる。
当院は、訪問診療を中心としたクリニックとして、多くの認知症を持つ高齢患者の訪問診療を行っている。本シンポジウムでは、当院における高齢者在宅療養ケアと多職種連携の考え方を示すとともに、「地域連携薬局」への今後の期待についてお話する。
当院は、訪問診療を中心としたクリニックとして、多くの認知症を持つ高齢患者の訪問診療を行っている。本シンポジウムでは、当院における高齢者在宅療養ケアと多職種連携の考え方を示すとともに、「地域連携薬局」への今後の期待についてお話する。